第1436回 過敏性腸炎(IBS)とビタミンD不足

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色白の人に過敏関腸炎(IBS)が多い可能性について。
最近、日本でも普通に見聞きする機会が増えた過敏性腸炎(IBS)。私が栄養カウンセリングを行う病院とクリニックでも明らかに対象者が増加しています。残念ながらIBSの明確な原因はわかっていないのが多いのも事実です。
内臓過敏症(VHS)の視点から、最近論文を検索していると、イギリスとアメリカからのっ研究報告の中に、IBSを発症する患者の中に、かなりの割合でビタミンD不足の人が確認できたというものがあり、非常に興味深い報告だと思います。
ビタミンD戸いえば、世界中でこの5年ほどの間に再認識された、ホルモン様作用を持つビタミンで、日本でも免疫力向上と深く関わっていることが多数報告されています。ビタミンDが免疫と関係している背景の1つに、粘膜、特に免疫の仕組みには重要な臓器である腸管粘膜に存在するレセプター(受容体)の働きがあります。IBSの症状も腸管のぜん動運動とその背景にあるセロトニンの生産分泌があり、これらはまさに粘膜上で機能することを考えると、ビタミンDが不足することで、腸管粘膜上に存在するレセプターの機能が低下することが、IBSの症状の背景にもあるぜん動運動の働きに影響がでることも十分納得できるシナリオです。
研究報告では、IBSの症状、特にD-IBSと呼ばれる下痢型IBSの症状を持った患者には、念のために血中ビタミンDおよび1-25OH2ビタミンDの検査をしてみることを勧めています。
また、問診の際に、日常的に紫外線を浴びる時間の長さと、ビタミンDが含まれた食材、サプリメントを摂取しているかの確認をするべきだとしています。
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私も、4月初めからの栄養カウンセリングで来られたIBSの症状を持つクライアントさんには問診で確認をし始めました。まだ絶対数が僅少なために、明確なことは言えませんが、傾向として日光に浴する時間が短く、脂質が苦手な人がいるような感じはあります。
先日カウンセリングに来られた下痢型IBSの女性は、問診で興味深いことがわかりました。食材のヒアリングをしたところ、ビタミンDが含まれる魚やキノコ類などについては、2011年3月11日以降、意識して食べないようにしていることと、紫外線には平均して1日5分くらいしか浴していないということでした。事実、東北震災の後には、メディアから流れてくる映像の恐怖に対するストレスからIBSの症状が増えたこともあったようですが、このような理由がD-IBSの背景にあることも考えられなくはないかもしれないです。
通勤通学の途中で何回も途中下車するほどトイレが近いD-IBSの症状を持った人は、想像以上に多いと感じますが、ビタミンDを意識して摂取してみる価値はあるかもしれません。
因みに、アメリカのコネチカットで栄養療法クリニックに従事してる私の友人のドクターに確認したところ、D-IBSの患者には1日あたり25-30μgのビタミンDを処方するそうです。
by nutmed | 2016-05-13 10:39