汗疱状湿疹の栄養療法について

汗疱状湿疹の栄養療法について
毎年、春先から初夏のころになると栄養カウンセリングにくるクライアントさんや、メールでの問い合わせが増える症状の1つに「汗疱状湿疹」があrます。医学的に原因は明確にはなっていませんが、手足の指、手の平に1~2mmほどの水泡ができ、痒みをともなうことが典型的な症状です。症状だけで判断すると、様々な症状の診断名がつけられるようで、アレルギー性症状や、湿疹など様々です。一方で、治療方法はほとんどの場合ステロイド剤や保湿剤が処方され、多くの場合1週間ほどで症状が落ち着くことも事実です。

この汗疱状湿疹ですが、栄養学敵に見ると、金属の過敏状態が強い場合にも発症する症状としても知られています。
この3月中旬、私が入院生活に入る直前、栃木県在住の32歳の汗疱状湿疹と皮膚科で診断された女性から相談メールをいただきました。毎年この時期になると両手の数本の指の第一関節から第二関節に痒みを伴う水泡ができて、毎回ステロイド治療を続けてきたけれど、なるべくならステロイドは継続使用したくないため、栄養で予防改善できることがないかという相談でした。
栄養療法では、このような症状の原因の1つに、ニッケルとコバルトに対する過敏反応が古くから報告されており、食生活の振り返りとともに、これらの金属への直接的な接触だけでなく、これらの金属が含まれる食材を避けるように指導することがポピュラーに行われます。
今回相談を受けた女性に、ヒアリングをしてみたところ、ニッケルやコバルトが使われているような装飾品や腕時計などは使っていないし、住環境の中にもこれらの金属はないと思うとのことでした。そこで、過去の経験から症状が現れる前に、いかに上げるような食材を食べたときに症状が現れたり、悪化した記憶をたどってもらいました。
ニッケルはチョコレート、ブロッコリー、マメ科植物、ナッツ類などに、コバルトは貝、レバー、ナッツ、ビート、キャベツ、チョコレート(カカオ)に含まれています。
私が入院生活しているときには連絡が取れないでいましたが、先週末に彼女から連絡がありました。
最初は気が付かなかったけれど、家族に一緒に記憶をたどってもらったところ、毎年この時期になって、アーモンドまたはマカデミアナッツ入りのチョコレートを毎日、職場で間食していることが多く、その後も症状が酷くなることもあったそうです。 今年はすでに4月の初めに症状が現れたようですが、ナッツ入りチョコレートが怪しいと感じ、症状が現れて以降は一切チョコレートを口にしていなかったそうで、症状も例年よりも収束が早かったそうです。
ステロイド剤はある意味、両刃の剣でもありますが、急性症状を収束させ、炎症を抑える場合にはファーストチョイスであると思います。一方で、無意味にダラダラと継続使用することは副作用やカンジダ菌などの真菌類の増殖を招く可能性が否定できません・
汗疱状湿疹の症状を毎年継続している人は、薬剤治療だけでなく、その原因背景に上記のような食材の影響下に内科の確認をしてみるべきだと思います。


by nutmed | 2017-06-14 19:07