栄養指導・ケア -1

私は42歳のときにある自閉症のお子さんと運命的な出会いをして以来、生涯のライフワークとして自閉症のお子さんのカウンセリングと栄養指導ケアをすることに決め、すでに200名のお子さんと出会いました。これも偶然、米国で同じ研究室にいたブラジルから来ていたドクターが水銀と自閉症の研究をしていたこともあって、何か運命的な出会いだったことは間違いないと今でも思ってます。最近テレビでも自閉症のお子さんのドラマやライフスタイルが紹介されるなど、周囲の理解がでてきたとは感じていますが、残念ながら欧米のような環境にはまだまだ届いていないというのが実情です。先日、以前からケアしている自閉症のお子さんを持つお母さんからの紹介で、うちに来た自閉症と診断されたお子さんについて少しお話します。自閉症と言う名前はもともと複数の典型的な症状に合致した場合に総称する名前なので、長年自閉症だと思っていたお子さんが、実は先天性の染色体にかかわる病気であることがあります。先日訪れてきた3歳の女の子は今まで私がカウンセリングしてきたお子さんと同様に、典型的な自閉症のパターンはあったものの、少しタイプが異なる「両手をもむしぐさ」がありました。お母さんにはこのまま栄養指導をする前に、念のためにレット症候群ではないかどうかを専門医に診てもらうことを勧めました。1週間後にお母さんからいただいた電話は専門医で診てもらったところレット症候群と診断されたとのことでした。電話の後に安心と不安が同時にやってきたのはいうまでもありません。レット症候群は1-3歳時の女児に特異的に発症する症状で、米国の女優ジェイソン・ロバーツがレット症候群の研究基金に多額の寄付をしたことでも有名になった病気です。自閉症だけでなく日本では中々研究には陽のあたらない難病がありますが、非力ではあるものの、何とかならないかと思っている今日この頃の1人でした。
by nutmed | 2006-07-12 16:48