ビタミンCの摂取量について

先週は怒涛の忙しさで忙殺されました!
梅雨もようやく明け、夏本番といいたいところですが、今年の夏はどうでしょうね。
さて、今日は季節柄、ビタミンCのお話をしましょうかね。
皆さんはビタミンCの摂取量についてご存知でしょうか?特に米国の。米国ではFDA(米国連邦食品医薬品局)がビタミン・ミネラルのいくつかについてRDA(Recommended Daily Allowance :1日あたりの推奨摂取量)という目安を公表していますが、男女、妊婦、年齢によって設定されていますが、上限が120mgなんです。日本の厚生労働省がやはり目安としてしる1日あたりの所要量を性別年齢別に公表していますが上限はなく、およそ100mgとしています。さて、この米国のRDAに過去10年間意義を唱えてきた英国のマンチェスター大学薬理学部教授のスティーブ・ヒッキー博士と ヒラリー・ロバーツ 博士の話を紹介します。彼らの研究の発端はそもそも米国FDAがRDAを決定した際にビタミンCの体内における薬理学的な活性を考慮していないということからスタートしています。その根本にあるのがビタミンCの体内における半減期です。皆さんはビタミンCの半減期、つまり経口によって飲んだビタミンCが体内に入ってからどのくらいの時間で飲んだ量の半分以下になるかをご存知ですか?この時間については米国のライナスポーリング研究所をはじめ世界中で多くの研究者が公表していますが、およそ30分と言われています。FDAがRDAを設定したときの基礎となった研究では、ボランティアで募った健常人に1,000mgのビタミンCを飲ませた12時間後の血中濃度を分析した結果、既に血中にはビタミンCはほとんど存在しないことから、「大量のビタミンCを飲んでも効果はない」ということで設定したものでした。更に現代人の生活環境やそこからくる生活習慣病を考えると、ビタミンCが体内に入った途端に消耗消費され30分よりも短い時間で半減期を迎えることは明らかなことであるとスティーブ・ヒッキー博士らは言います。現代日本人が置かれている環境とこれらのエビデンスを考えると、ポーリング博士のビタミンCのメガドースは十分必要な背景があるように思っています。私は個人的にビタミンCを勧めるときには、1日の総量として1,500-3,000mgを食後ではなく、早朝寝起きに500mgを飲み、その後3時間おきに300-500mgを飲んでもらうようにしています。
by nutmed | 2006-08-01 11:04