2006年 12月 28日
アーユベーダのハーブ
さて、今日は日本人にも最近多く見られるようになった「乾癬(かんせん)」の症状に効果のあるアーユベーダのハーブ「フォースコリン」についてお話しましょう。少し以前に某低価格サプリメント販売で有名な会社がリリースしていたこのフォースコリンですが、最近はあまり宣伝も聞かなくなりましたね。フォースコリンはインドの伝承療法アーユベーダでは古くから使用されているハーブで、Coleus forskohliiという植物の根から抽出された成分です。
フォースコリンには以下のような作用があります。
・アレルギー性呼吸疾患の改善
・緑内障の予防改善
・蕁麻疹の改善
・乾癬の改善
・消化の促進
・記憶障害の改善
フォースコリンが優れた効果を見せる乾癬という症状について少しお話しておきます。乾癬の原因は未だ明確になっていませんが、原因としてはストレス、高脂肪摂取、生活習慣などが考えられています。症状は膚に赤い斑の上に白色の角質ができるもので、一般に痒みはありません。頭皮、膝、肘などに出来やすいですが、全身に広がる事もあります。
フォースコリンの乾癬改善作用ですが、乾癬を持つ方のほとんどがcAMP(サイクリックAMP:ホルモンと同じように作用する細胞内伝達物質のことで、細胞の代謝機能の調節、分泌、神経などの刺激伝達、また皮膚の上皮細胞の再生に関与しています)が不足している傾向が見られることが報告されていますが、CAMPが不足することで皮膚、特にヒジやヒザの周辺の細胞分裂が通常よりも約10倍も増加します。これが乾癬の症状に特有なウロコ状の皮膚を形成したり、痛み、赤みを帯びた肌をつくる原因となります。
フォースコリンはこのcAMPの生産を調整し、皮膚の細胞分裂を正常なサイクルに改善する作用成分が含まれるハーブなんです。(参考文献:Planta Med 1989, vol. 51, 475-476).
ただし、フォースコリンを使う場合以下の症状が現れた場合は使用を避けることが肝要です。
・胸の痛み
・呼吸困難
・皮膚の発赤、かゆみ