2007年 01月 29日
体内に蓄積した重金属の影響-鉛
さて、今日は重金属の鉛についてです。鉛中毒症、特に小児の鉛中毒症については幸い日本では米国に比べて稀なケースなんです。鉛中毒の原因となる塗料の問題がその背景にあります。米国では屋内の壁を塗料で塗り替えることが多いんですね。映画でもよく夫婦や恋人同士で新居やアパートの壁塗りをしているシーンがありますよね。当然塗料なので、時間の経過とともに剥げ落ちてくるんですが、床に落ちたこのはげた塗料の固まりを子どもが口に入れてしまい、急性鉛中毒でICUに運ばれることは米国では少なくないんです。
鉛はカドミウムなどと同様、毒性が強いミネラルで、高い濃度の鉛が体内にあることによって、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄、及び、デルタアミノレブリン酸などの重要な栄養素を利用する能力が低下します。また、鉛は容易に胎盤を通過するため、妊娠中の女性が鉛中毒になった場合、胎児にも影響がでます。

鉛の毒性を示す徴候のほとんどは、上記のカルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄が利用できなくなることによっておこるもので、腹痛、食欲不振、情緒不安定、便秘、疲労、頭痛、消化不良、短気、筋肉痛、神経障害、震え、重い貧血 、免疫力の低下、学習障害、多動などが報告されています。
鉛が体内に高濃度検出された原因として考えられるのは・・・
1、塗料・ガソリンなどを使用する職業に従事している
2、喫煙者
3、塗装業
4、鉛を含む髪染めを使用している(現在使用している染め剤を確認してください)
5、住居周辺に鉛を扱う産業工場がある
鉛は神経および精神の障害を引き起こしますが、とりわけ幼児小児における学習能力に影響を及ぼすことが少なくありません。
鉛は体内に入るとカルシウムと置き換わる性質を持っており、カルシウムの摂取が不足している場合、鉛は予想以上に早く細胞組織に蓄積します。
平均的な食事から摂取される鉛は平均的な成人で、毎日平均20mcgの鉛を吸収することになりますが、小児は代謝率が高いのでさらに高くなり、毎日平均50mcgを吸収することになります。体内に入った鉛は血流に全身を循環し、体の組織や臓器に存在しているものもありますが、大部分は血中のヘモグロビン分子に結合し、しばしば貧血を引き起こす原因ともなります。また、ビタミンDの摂取が不十分であると、鉛の吸収が高くなることが報告されています。


