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カルシウムの吸収メカニズム

今日のテーマは栄養医学研究所のWEBとのWポストになります。少し難しい内容かもしれませんが、このメカニズムをよーく覚えておくとカルシウムの「吸収の良し悪し」の背景が理解できると思いますからついてきてくださいね。

カルシウムの吸収を考えた場合、医師でも陥り易い盲点が2つあります。皆さんが一般に言うところのカルシウムの吸収とは、エレメント(元素)としてのカルシウムの吸収になるわけです。一般に広く販売されているカルシウムサプリメントは、その多くが炭酸カルシウムやリン酸カルシウムのように、クエン酸と炭酸という具合に吸収などを考慮してカルシウム以外の物質がくっ付いています(専門的にはキレートといいます)。したがって、カルシウムサプリメントを選択するときにはエレメントとしてのカルシウムの総量が最初にどれだけあるかということを考えなければいけません。サプリメントとしてのカルシウムの中ではエレメントとしてのカルシウムが最も多くキレートされているのが炭酸カルシウムで約40%のエレメントとしてのカルシウムが含まれています。一方クエン酸カルシウムでは約21%であるため、もともとエレメントとしてのカルシウム総量が異なります。仮に炭酸カルシウムとクエン酸カルシウムを300mg経口摂取させた場合、炭酸カルシウムには約120mgの、クエン酸カルシウムには約60mgのエレメントとしてのカルシウムが含まれていることになり、この時点で2倍の含有量の差が生じているわけです。
2つめは、カルシウムが体内に吸収されるメカニズムには「Active:能動的吸収Transcellular absorption 」と「Passive:受動的吸収Paracellular absorption 」の2つの経路があることです(下の図参照)。能動的吸収Transcellular absorptionは小腸粘膜上皮細胞を経由して吸収され体液と血液に入る経路、受動的吸収Paracellular absorption は空腸と回腸の膜上皮細胞の血管側の側底膜付近の細胞の間を通り吸収されます。水溶性ではない炭酸カルシウムもリン酸カルシウムもこの受動的吸収Paracellular absorption のメカニズムによって吸収されるが、水溶性のクエン酸カルシウムは能動的吸収Transcellular absorptionと受動的吸収Paracellular absorption 両方のメカニズムによって体内へ吸収されます。
カルシウムの吸収メカニズム_d0070361_1521340.jpg

以上のことから、エレメントとしてのカルシウム量を吸収させて体内カルシウム濃度をあげるためにはクエン酸カルシウムの場合には、炭酸カルシウムよりも絶対量が必要になりますが、吸収率ではクエン酸カルシウムのほうが吸収効果が高いといえるわけです。
ただし、この吸収率も胃腸の状態がよろしい場合であるということも忘れてはいけません。ストレスや疲労を感じるような体内環境がよろしくない場合には、クエン酸カルシウムといえども吸収率は低下することをお忘れなく。
by nutmed | 2007-02-07 15:23