最近の健康報道の影響について

今日はひょっとすると春一番が吹くかもしれないという予報に驚いています!それにしてもこの異常気象の影響はどこまで続くのでしょうか・・・

さて、今日は趣向を変えて最近の健康番組の影響について少し話してみたいと思います。
「もう健康食品のブームにも陰りがでてきたな・・」「何か別な商材を考えないとこのままではやっていけない・・」これは私の知人の健康食品製造メーカーの経営者がここ1ヶ月間ほどでもらした言葉です。街へ出てみても街頭インタビューでは「やっぱりウソだったのね!健康食品なんてもう飲まない!」「あんなもの飲んだり食べたりしても健康になるとは思っていなかった・・」「消費者を裏切ったことは許せない!」というコメントが。私は、この5年ほど前からはじまった健康食品のブームや今回の一連の捏造騒動については、かなり客観的に冷めた目で見ていたことは事実です。確かに、消費者を裏切った行為は、いくらその影に視聴率稼ぎのためとは言え許しがたいことですね。ただ、今回の騒動を見ていても、これはTV局や企画会社だけの問題を解決すればそれで終わりとはいかないと感じています。それは、我々消費者の考え方にも問題がないわけではないということでもあります。日本人は諸外国の国民に比べ、「何か」に強く依存する国民性を持った民族のようで、誰のものでもない、自分の体の健康についてまでもメディアや他人に委ねてしまいやすい国民のように感じます。つまり、自分で物事の良し悪し、少なくとも自分の健康や環境についての判断ができ難いということです。これは、以前このブログでも話したように記憶していますが、日本人は自分で物事を判断するためのモノサシを持っていない、もしくは、そのモノサシはメディアなどの他人からおしつけられたもののような気がしてなりません。

これらは皆、健康という「情報」なんですが、私は常々「情報」というものには少なくとも2種類あると思っています。1つは、相手が必要か否かに関係なくフリーに発信される「インフォメーション」で、もう1つは相手が必要としていて需要があり、確実に相手がその情報を得ることで何かのアクションに結びつくことを前提に発信される「インテリジェンス」です。通常このインテリジェンスは発信する側の労力と経験が伴ないますから無償のものは少ないわけです。
日本人の考える「情報」は、インフォメーションとインテリジェンスが混同していて、情報を受け取る側、欲する側が自分にどのような情報が必要なのか、つまりは、今自分に必要なのはインフォメーションなのか、インテリジェンスなのかの判断ができていないと思います。さらには全ての情報が「無償」で入手可能であるとも誤解していることが少なくないようです。

かつて自ら健康ブームの仕掛人のごとくネタ探しに奔走していたTVやメディア、マスコミが、今では鬼の首でもとったように、問題を起こした特定のTV局や企画会社を責め立てているようにも見え、多くの国民が我こそその被害者のように思っているようですが、確かにデータを捏造したことの是非は問われなければならないものの、その渦中にいた自らの健康情報に対する考え方を少し見直すことも忘れてはいけないのではないでしょうか。

まずは、物事、情報の有用性を判断する自分自身のモノサシを持つことを考えてみてください。
by nutmed | 2007-02-14 14:46