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シアトルから

今、シアトルは20日の午後4時30分をまわったところです。無事に今朝7時過ぎにはシアトルに到着しましたが、気温4℃! 到着早々午前10時からの学会に参加するために空港近くのホテルへ向かい、午後3時ころにふと外を見るとなんと雪が!そして今ホテルへ戻ってくるころには澄み切った青空の天気です。異常気象は世界的な規模ですね・・・

さて、今日の学会のランチセミナーで面白いテーマがありましたので1つ紹介します。
最近日本でも再び話題になりつつある「慢性疲労症候群(CFS)」と「リウマチ」「うつ病」が胃酸の生産能力に深くかかわっているというものです。胃酸についてはこのブログでも今までに何回かお話してきましたが、最近の30-50歳代の男女で見られるこれらの症状の背景には、胃酸の生産能力とその分泌が非常に低下しているために、たんぱく質の消化が十分に行われず、人の体を構成している約60兆個の細胞とその働きには不可欠のアミノ酸の合成が低下しているというものです。動物性・植物性を問わず、たんぱく質は胃酸と胃酸の刺激で生産される消化酵素の働きによってアミノ酸まで分解されますが、この年齢の人では、本来十分な胃酸を作ることができるにもかかわらず、そうではないということです。この背景には、ストレス、生活習慣だけでなく、やはり食生活にも原因がありそうです。今日のセミナーで紹介されたデータによると、30-50歳代の慢性疲労症候群(CFS)と診断された86名の男女に胃酸の生産能力の確認検査をしたところ、87%の人が食事直後から2時間の間に十分な胃酸の生産がされておらず、酸度(pH)も食物、特にたんぱく質を分解するに十分な酸度ではなかったということが報告されており、便中には未消化のたんぱく質や脂質が確認され、これらの人に胃酸を補うサプリメントを一時的に食事とともに飲んでもらうことで、症状が緩和、改善したと答えた人が82%いたということです。便検査でも未消化のたんぱく質や脂質が大幅に改善されてもいるということでした。また、胃酸の生産は十分であっても食事直後の胃酸の酸度(pH)がたんぱく質を消化分解するために十分酸性(pH0.8-1.2)でない人の場合には、たんぱく質の分解消化にかなりの時間がかかることが少なくありません。このような人は「スローダイジェスター」といいまして、食事中に水やアルカリ性食材を食べ過ぎることによって更に消化分解を低下させてしまうことがあるので注意が必要です。
皆さんはご自分の胃酸の生産能力がどれほどなのかについてはあまり関心をもったことが無いかもしれませんが、栄養素の消化分解には不可欠な要素ですから、是非注目して欲しいものですね。
by nutmed | 2007-02-21 10:11