冷え性について-その1

昨晩は昨年のクラプトンに続いてワイフとコンサートに行ってきました。往年のフォーリナーです。読者の中には「懐かしい!」と思ってくれる年代の方も少なくないでしょうね。残念ながら当時のオリジナルメンバーはリードギターのミックジョーンズだけでしたが、トリビューンバンドよろしく、ドラムにはあのレッドツエッペリンのドラマージンボーナムの息子のジェイソンボーナムという布陣で2時間30分間、30年前に戻ることができました。

さて、今日から2回にわたり「冷え性」について書いてみましょう。

皆さんご存知の通り人間は恒温動物であるために寒いところでも暑いところでも、体温を一定に保つ機能が身体に備わっています。冷え症は、この体温調節機能のトラブルが原で起こります。
体温調節機能の異常 
体の周囲の気温が下がると皮膚にある温度を感じる神経が脳に「寒い」「温度が低い」と言う情報を送り、体内に蓄積された脂肪が肝臓などでエネルギーに変換されて血液を温めるような指令が飛びます。この後、暖められた血液は動脈を通って体中に送られ、全身を巡り冷えた皮膚や細胞を暖めますが、全身で熱交換を行って一巡して冷えた血液は静脈から心臓に戻り、再び温められた血液が全身を暖めるために送り出されます。
しかし、この皮膚にある温度感知神経の機能に異常があったり、機能が鈍くなっていると脳に体温が低下しているという情報を送ることができず、いつまでも体の表面が冷えた状態になり、次第に皮膚の下の深い部分の細胞組織も冷やされ、いわゆる「冷え性」になります。
環境要因として考えられることは・・・
①エアコンのある生活
昨日の勉強会や以前にも話したように、昨今の生活環境の中にどっぷりと根を下ろしたエアコンのある生活環境が大きな原因だと考えられます。冷暖房が完備された生活によって、季節に関係なく人工的に生活環境を一定にコントロールされているために、屋内外の気温差が激しくなり、皮膚の表面にある温度を感知する細胞の機能が鈍くなっていることは事実です。
②発汗しない生活
上記のエアコンが完備された、一見暮らしやすいように見える生活環境によって、発汗作用を持つ皮膚の細胞がやはり麻痺または鈍くなり、汗腺の開閉ができなくなるために、体内毒素の排泄ができ難くなるだけでなく、発汗の水分放散による熱放散ができなくなります。
③飲料による体内臓器の温度感知機能が鈍くなる
従来の生活に比べ、1年を通じてビールやジュースなど冷たい飲み物や食べ物をとるような生活とるため、内臓内の温度調節機能も鈍くなってきているといえます。
④足裏の温度感知機能の麻痺
良導絡や経絡など東洋医学の教えでは、足裏の温度感知神経を刺激するツボがあると言われています。女性が履くハイヒールなど、極端に足に合わない靴をはき続けること、また歩くことが少なくなった生活環境によって、これらのツボが刺激を感知することが出来なくなり、脳に温度変化の情報を送ることが出来なくたったことも見逃せないと思います。また、冷え性で足先が冷える原因の1つは、血液循環のし難い末梢血管の循環が悪くなることも背景として考えられますが、まさに極端に足に合わない靴をはき続けることによって、末梢血管に血が通わなくなることによるものです。女性に冷え性が多い背景の1つはこのような靴の原因もあります。
⑤脂肪をエネルギーに変換するための栄養素が不足している食生活
皮膚や足裏、内臓の温度感知機能がある程度正常であっても、脳からの指令を受けて体内の脂肪を燃焼させてエネルギーに変換させるためのビタミンB群、亜鉛、クロミウム、マグネシウムなどの栄養素が不足していれば、血液はいつまでたっても温まることがありません。体が温まるようになり冷え性が改善されると減量ができるようになるのは、まさにこの脂肪燃焼に必要な栄養素が充足されてくるからです。
⑥自律神経の機能の異常(自律神経失調)
皮膚や内臓の温度感知機能を持つ細胞組織からの情報によって、脳内の自律神経から体温調節のための指令が体の各器官に送られますが、この自律神経の働きに障害や異常があることで、体温調節がうまくできなくなります。
by nutmed | 2007-03-14 10:14