2007年 03月 16日
紅麹のコレステロール抑制作用
さて、今日は巷で話題のメタボリックシンドロームの原因の1つでもあるコレステロールを抑制する素材「紅麹」(ベニコウジまたはコウキクという)いついてお話しましょう。
紅麹(レッドイーストライス)は、アメリカの健康食品の中でも比較的新しい素材ですが、従来の素材と異なる点は、医療用、つまり医師が日常の治療に使われるケースが他の機能性素材よりも多いことです。紅麹は米にベニコウジカビ(Monascus purpureus)を加えて発酵させることによって作られるアジアの食品の原料である。約1200年前の中国に始まり、食品用防腐剤、天然着色剤として紅酒・紅露酒等(red rice wine)や紅豆腐(red bean curd)の製造に、あるいは医薬に用いられてきました。因みに日本の味噌の発酵に使われる麹菌は「黄麹」という黄色い麹菌がつかわれています。
沖縄にもこの紅麹菌をつかった食材がありまして、豆腐に混ぜて発酵させた独特の味を持つ「豆腐よう」というものがそれです。因みに私は大好物ですが苦手な方が多いようですね。
紅麹には、主要活性物質であるモナコリン(真菌類代謝産物の一種)という物質が10種類含まれていて、そのうちの1つであるモナコリンKは、スタチンと呼ばれています。このモナコリンKを発見したのは日本人の遠藤博士(現東京農工大学名誉教授)です。
肝臓でその多くが作られるコレステロールの代謝には、3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリルCoA(HMG-CoA)という酵素が触媒として働きコレステロールの合成を促進します。コレステロールや中性脂肪が高くなる「高脂血症」と診断された人が処方される薬剤のスタチン系薬の主要成分である「スタチン」は正にこのHMG-CoA酵素を抑制する作用を持った成分なんです。
世界中で3,000万人以上に処方されているスタチン系薬の代表的な薬は日本の三共が開発した「メバロチン」、米国メルク社が開発した「ロバスタチン」です。このロバスタチンは遠藤博士が発見したモナコリンKそのものでした。
これらの薬はコレステロールや中性脂肪を下げる効果は高いのですが、肝臓機能障害などの副作用もあり、栄養療法や自然療法、漢方療法を行うドクターの中には、スタチン(モナコリンK)を豊富に含む紅麹サプリメントを治療の目的で患者に処方するドクターが非常に増えています。
最近のウーロン茶のコマーシャルにもあるように、西洋化が進んだために以前に比べると少なくなってはいるものの、中国人やベトナム、カンボジアに高脂血症が比較的少ない背景にはウーロン茶を飲むからというよりも、日常の食材にこの紅麹が使われるものが多いからではないかと思っています。
日本は今こぞってメタボリックシンドローム改善のために動きはじめましたが、正に医食同源といわれるように、先人の食の知恵を今こそ活用するべきであると思いますね。
お隣中国の紅麹の平均摂取量(出典:UCLA)を見ると、1日あたり20グラムと言われていますが、UCLAの研究では1日あたり3グラムでも有効という報告があります。紅麹はもろみ酢などの商品にも含まれていたり最近ではサプリメントが出回っているようですが、私がお勧めなのは、紅麹のパウダー(10グラムで150円くらい)を購入して毎日の料理に加えることですね。熱には弱いので、加熱した後の食べる直前に混ぜるといいですね。


