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抗がん剤と栄養素

太陽が出ているのにこの肌寒さはなんでしょう! 春らしさはいつになったら来るのやら・・・
昨晩は知人とスペイン料理を食べに行きましたが、帰宅してから朝までに3回もトイレに行かされる始末。私は滅多に下痢はしないほうなんですが、心当たりはスペイン料理レストランで出された極度に塩辛いタラとタラバガニの煮込みだと思ってます。今日の昼にレストランに電話して確認したところ、このレストランで使っている塩は岩塩であることがわかり、その銘柄を調べるとマグネシウム量が非常に多いことがわかりました。どうやら犯人はこの岩塩だったようです。

さて、先日新潟在住の女性から乳がんの抗がん剤の栄養素に与える影響についての質問がありましたので、抗がん剤が与える影響について少し紹介しましょう。
乳がんの化学療法で比較的汎用的に使用される「タキソール」という抗がん剤があります。この抗がん剤の成分はセイヨウイチイという植物の樹皮エキスから得られた成分ですが、今では自然界に生息するセイヨウイチイの生息量には限界があることと、樹皮をむいてしまうとすぐ枯れてしまうことから、天然成分と合成成分がほぼ半分の天然合成成分です。
これがセイヨウイチイです。
抗がん剤と栄養素_d0070361_1742680.jpg

セイヨウイチイを原料とするタキソールを服用するときの注意点は主治医が説明してくれるものですが、タキソール投与中にはアミノ酸の1種類であるトリプトファンまたはトリプトファンの前駆物質の5-HTPが含まれた食材を避けるようにしたほうがいいと思います。トリプトファンと5-HTPは脳内でセロトニンに変換されるアミノ酸ですが、タキソールと一緒にこれらのアミノ酸を摂取することによって、タキソールの副作用を増強させる可能性が報告されています。
トリプトファンが多く含まれる食材は牛乳・ヨーグルト・卵・ナッツ類・マグロ・チーズ(特にスイスチーズ、チェダーチーズ)です。

次に代表的な抗がん剤シスプラチンの効果を残しつつ、腎臓の毒性などを軽減させた『カルボプラチン」という抗がん剤があります。白金製剤のこの抗がん剤には、カルシウム、マグネシウム、カリウム、およびリンの尿からの過剰排泄作用が報告されています。言うまでもなく主治医チームは点滴でこれらの電解質ミネラルを補給するはずですが、特にマグネシウムのモニターをするときの検査材料は注意したほうがいいと思います。血清中、血漿中のマグネシウムを測ってもマグネシウム欠乏状態を把握するのは難しいので、赤血球中のマグネシウムを測定してモニターしてもらったほうがいいと思います。
また、白金製剤の腎機能への影響と白血球減少の副作用を抑えるために、電解質ミネラルの点滴の中にセレニウムを入れてもらうといいでしょうね。
by nutmed | 2007-04-19 17:48