がん予防とビタミンC

最近私の周囲の方で、年齢が若いにもかかわらず癌細胞に侵されて入院したり手術をした方が少なくありません。私の師匠でもあるDr.ライト(シアトル タホマクリニック院長)は、癌に侵される前の「予防」がいかに大事かを常に語ってくれました。
言い尽くされている感はありますが、かのライナス・ポーリング博士が提唱したビタミンCのメガドースと癌の治療・予防ですが、再度ビタミンCの癌細胞に対する効果について認識し、予防を考えて見ていただければ幸いです。

一般的に癌の治療法として手術、放射線、化学及び免疫療法が適用になりますが、癌患者の多くは血中ビタミンC濃度が、癌ではない人と比べ低いと、いわゆる壊血病であることが少なくないという報告があり、アスコルビン酸を補給することが大切です。アスコルビン酸には免疫機能を高めて癌細胞の増殖を抑制し、傷の治りを促進させる効果が期待できます。
ビタミンCが癌の予防に有効な背景の1つには、この免疫向上のほかに、コラーゲンの活性を高めて、コラーゲンの働きによって癌の発生や拡大を防ぐ作用、そして、ニトロソミアンという窒素酸化物質(胃や肝臓の癌の発生の引き金になるといわれている)の生成を防ぐことにあります。このほか、コラーゲンの活性が高まることによって、血管膜の破壊による癌の浸潤や血行性転移を阻止する作用、インターフェロンの生産促進作用があります。

癌予防のためにビタミンCを摂取するのであれば、年齢が30歳を越えたら1日あたり2-3gのビタミンCを1日3回くらいに分けて飲むことをお勧めしますが、腸が酸性刺激によって下痢を起こすような場合には、ビタミンCとカルシウムを一緒に飲むことをお勧めします。このときのカルシウム量はビタミンCの80%くらいの量でいいでしょう。

米国やドイツでは癌の治療だけでなく予防の場合でも、静脈からビタミンCを点滴で直接血液内に送る療法が選択されることが少なくありません。最近日本でもクリニックでビタミンCの点滴をしてくれる施設が増えているようですが、予防の場合でも1週間に1-2日、1回あたり1-2gのアスコルビン酸を点滴してもらうといいですね。1つの目安は血液中のビタミンC量が18-25マイクログラム/mlを維持できることが望ましいですね。
by nutmed | 2007-04-24 16:12