米糠やふすまで癌予防

今日は朝から気温が上昇してますね。うちのオフィスの前にあるビルのベージュ色の壁に反射する午後の日差しは気温だけでなく目から初夏を感じさせてくれます。

さて、今日は連休前にアメリカから届いた米糠のトピックスを1つ。
欧米の癌研究者や栄養学者の80%が興味を向けているのは東洋、それも日本なんですよ。寿司や豆腐などの伝統食材だけでなく、生活習慣などなど、彼らにとって興味深いのは、「何故日本人は長寿で癌の発生率が欧米よりも低いのか」なんです。
今日紹介する素材もそんな日本人の食生活に興味をもって研究してきた学者のトピックスです。その素材は「米糠」なんです。
かつては日本中どこの家庭にいっても伝統の糠床があって、その家ならではの漬物がありましたね。
この米糠には鉄を強力にキレート(捕まえて排泄する)する作用をもった機能性成分が含まれています。その名は「IP6」。イノシトールヘキサフォスフェート(inositol hexaphosphate )という成分です。このIP6が今米国で癌予防に効果があるのではと注目されています。
癌細胞はもともと鉄の含有量が多い細胞で、この鉄が癌細胞成長の鍵ともなるミネラルなんですね。そしてIP6にはこの鉄をキレートする能力があるというわけです。
「IP6が鉄とキレートしてしまうのでは貧血になっちゃうのでは?」という質問が寄せられる前にお答えしましょう。結論から言えばIP6は赤血球中に含まれる鉄とはキレートし難いといえます。その理由は、赤血球中に含まれる鉄は、同じく赤血球中に含まれるヘモグロビンと言うたんぱく質と強固に結合しているためなんです。
日本人が長寿で、かつては癌、特に消化器癌の発症率が低かった背景には、米糠、漬物を食べていたことが理由というのはあながち否定はできないかもしれませんね。
by nutmed | 2007-05-08 14:53