2型糖尿病について その2

7月も早いものでもう中旬ですね。ようやく梅雨らいし季節になってきましたが、湿度が高い分体内の水分も不足しますので、水分の補給は意識してくださいね。

さて、今日は2型糖尿病の2回目です。

前回はアップルパイが血糖値降下に有効といいましたが、まんざら関係がない話でもないんですよ。
アップルパイに使うシナモンに含まれる水溶性成分のMHCP:メチルヒドロキシカルコンポリマー(Methyl Hydroxy Chalcone Polymer)とシヌリンいう物質はインスリンに非常に似た働きを持っていて、インスリンの抵抗性を抑制し血液中のグルコースの取り込みを促進する効果があることをアンダーソン博士らの研究チームが見つけ報告しています。血液中のグルコースが正常に取り込まれるようになると血糖値も下がるわけですが、そればかりではなく、我々のエネルギー源になるグリコーゲンの合成も促進され、活力が高まります。
MHCPとシヌリンの作用効果には血中の脂質を低下させる作用がありますが、アンダーソン博士らのチームの研究によるとこのほかに血圧を降下させる作用があると考えられています。ただし、血圧降下の作用がMHCPとシヌリンによるものなのか、インスリンによるものなのかについては今後さらなる研究が必要だと思います。
また、MHCPはポリフェノールの1つですので、お茶やワインに含まれるポリフェノールと同様、抗酸化作用にも期待できますね。
このほか2型糖尿病の糖代謝改善を考えた場合の栄養素としては、ビタミンC、ビタミンE、そしてビタミンB6です。

2型糖尿病に対するビタミンCの作用には以下の内容が揚げられます。
①ソルビトールの蓄積を抑制する作用
ソルビトールは糖尿病の合併症として有名な白内障および末梢神経機能障害の原因となる物質です。
②糖化を抑制 
糖化(グリケーション)とは、ブドウ糖がタンパク質に結合する状態で、リンゴの皮をむいてしばらくすると茶色に変色しますが、これが糖化です。人間の体内でも同じことが起こっていて、赤血球中のヘモグロビンが糖化することによって赤血球の柔軟性が低下し、酸素運搬能力低下などにより末梢組織の酸素不足によって細胞障害が起こると考えられています。最近、終末糖化産物AGE(Advanced Glycation End products)という物質をよく耳にしますが、AGEは糖化によってつくられる細胞老化とも深い関係がある物質で、糖尿病患者の血液検査でヘモグロビンA1cという物質を定期的に検査しますが、このヘモグロビンA1cはAGEです。
このほかビタミンCには脂質代謝を促進する作用があります。
by nutmed | 2007-07-12 08:59