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インスリンの働き

台風が近づいてきましたね。太平洋高気圧の勢力が衰えてきたので、今週末は日本に接近しそうです。週末おでかけの時には気象予報確認してくださいね。

さて、今日は昨日の2型糖尿病つながりで、インスリンの働きについて少しお話します。
インスリンといえば「血糖を下げる働きがある・・」と答える方がほとんどでしょう。クリニックや病院のドクターにインスリンとは?と聞いても同じような回答が帰ってくるはずです。
実際にはインスリンは食後に膵臓から分泌されて、血液中を流れる糖分をエネルギーの源としてトリグリセライド(中性脂肪)または脂肪に変換して蓄えさせる働きを持ったホルモンで、この働きはインスリンの機能の1つにすぎません。
最近、アメリカのカリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームが、インスリンの過剰によって、エネルギーとして後に使うために蓄積されていた脂肪や中性脂肪の、エネルギーへの変換を抑制する可能性が高いという報告をしています。
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インスリンが出すぎることによってあるホルモンの生産と分泌およびその働きを阻止してしまうということです。このホルモンとは、別名「ストレスホルモン」とも呼ばれるカテコールアミンで、このホルモンは細胞のエネルギー生産に深く関わるホルモンでもあります。
インスリンのもう1つの働きにプロテインキナーゼ(PKA)という酵素の働きを抑制するものがあります。このPKAは食後にエネルギー源として蓄積されてた中性脂肪や脂肪に働いて糖分に変換しエネルギーを作り出す重要な酵素で、PKAはカテコールアミンによって刺激を受けて活性が高くなります。つまり、正常な糖の代謝を行うためにはインスリンだけでなくカテコールアミンのバランスが重要になるわけです。この研究報告によれば、全てではないものの、2型糖尿病の方の多くがインスリンの過剰分泌によるインスリンに対する抵抗性を持ち、またカテコールアミンの分泌がアンバランスになっていると報告しています。
肥満が2型糖尿病を、または2型糖尿病が肥満を作り出す背景には、今回の研究によってわかったメカニズムが少なからず働いている可能性は高いと思います。
PKAはがん細胞の増殖や遺伝子の働きにも深く関わっているために、安易に使用することはできない酵素ですが、実際にドイツやフランスではPKAを2型糖尿病の治療薬として利用する研究も行われています。
by nutmed | 2007-09-04 10:07