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栄養指導の難しさ・・

今月から東京の青山にあるクリニックと御茶ノ水にある病院の2施設で、栄養カウンセリングの仕事をはじめました。青山は夕方6時から午後9時まで、御茶ノ水は朝から夕方までなので、仕事や講演会、セミナーの関係もあり、当面は両施設ともに月1-2回となります。青山のクリニックは先日の台風の日だったこともあって予約は2名でしたが、御茶ノ水の病院は6名の予約があり、本当は1名30分の予定だったんですが、大幅にオーバーして平均70分のカウンセリングになり、昼食も摂れずに午後4時まで怒涛の1日でした。ドクターたちの激務の片鱗を垣間見たような気がします・・・

さて、今朝通勤途中に聴いていたラジオ番組の中で、メディアによく登場する白髪のダンディーな某栄養学校の理事長がコメンテーターが食育のことについて話していたことが少し気になりましたので、今日は食育について少し。
彼がコメントしていた「ながら食べ」については、私も以前から子どもの性格の形成や発育だけでなく、家族団らんに多大な影響を与えるので、段階的でも構わないから「ながら食べ」についてはやめるように努力してほしいことは叫んできましたので、共感できるものです。

次のコメントにあった「母乳は最低1年継続して欲しい。母乳を早く切ってしまうことで子どもが大変なことになるし、その後の性格形成にも影響をあたえる・・」について、これもまた間違いのないことで、数々の研究データーが物語っていることなのでうなずくことはできるのですが、多くの乳飲み子を抱える母親父親の環境が1年間母乳を与えられる環境にあるかどうかということです。
私は、或る授乳期にある母親のグループに対して3年前から栄養セミナーを年1回ほど実施してきて、その時期の母親が不安として抱いている子どもの栄養のことだけでなく、精神的・物理的なストレスの悩みに至るまでの話を聞いてきました。それまでは、私自身も確かにこの白髪の先生と同じようなことを熱弁してきましたが、実際に乳児期の母親、少なくとも現代社会のこの時期の母親が乳児に対して1年間も母乳を継続して与える環境には残念ながらないことを実感しています。彼女たちの多くは20歳前半の若いお母さんで、中にはつい2-3年前まで登校拒否、補導歴のあるような社会から「厳しい目」で見られてきた母親も少なくはありません。
しかし、ひとたび子どもの親となった彼女たちが真っ先に不安になるのは乳児の体と栄養のことであることも事実で、世間やメディアで言われるような母親ではありません。確かに彼女たちの多くは体型を気にして継続的な授乳を敬遠する女性もいますが、彼女たちの多くは可能であれば母乳を続けたいと思っていますが、夫婦共働きなどの環境のために数ヶ月で保育所に乳児を預けなければならない環境にあることも事実なんですね。

各所で連日食育のセミナーや講演会、またメディアでも食育について取り上げ、最近では「食育カウンセラー」とか「食育指導士」なる民間団体の資格セミナーがあるようで、日本全体が食育に注目していることは大いに歓迎すべきことです。しかし、いわゆる絵に描いた餅や机上の空論にならないためには、生活観(感)のある視点を持ち、「できる」範囲から無理なく生活の中に取り入れることのできるプロセスを考えた食育でなければ、継続はできないでしょうし、ともすると

「母乳が1年継続できない」

「子どもの性格形成に影響がでる」

「子どもは産まないほうがいい」

というような社会構図ができてしまう可能性は否定できないでしょう。
by nutmed | 2007-09-14 10:55