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前立腺肥大とサプリメント その1

今週は更新がろくにできずに申し訳ないでしたm(_ _)m 「どうしたんでしょうか??・・」などご心配のメールも沢山いただきまして、この場を借りてお礼申しあげます。
今週初は週末に崩した体調が戻らず高熱をだしました。 その後は病み上がりにムチ打って、いくつかのクリニックへ訪問しサプリメントコンサルティングを行うために怒涛のスケジュールを入れてしまって・・・・・

さて、今日は秋の健診シーズンということもあり、働き盛りの男性の悩みとしてこのところ増加している前立腺肥大(BPH:Benign Prostatic Hypertrophy)と予防治療のサプリメントについてです。最近新聞・TVなどメディアの特集で40歳以降の男性の前立腺肥大(以下BPH)が増加していることが多くなった思うのは私だけではないと思います。確かにBPHは年々増加している傾向にありますが、私はその理由の1つに健診での尿によるBHPの検査の機会が以前よりも増えてきたことと、この尿検査の測定感度が非常に高感度になり安定してきたことにあると考えています。この検査はPSA(前立腺特異抗原)というもので、20年前に比べてその感度は飛躍的に向上しています。
BPHは40~70歳代の男性で多く、40歳代では6-7人に1人、50歳代では4-6人に1人、60歳以上の場合、約4人に1人がBPHで、その内40%が治療を要するといわれています。今までの統計学的な研究報告では、東洋人、白人、黒人の順に頻度は高くなり、日本人は世界的にみてもBPHが少ない民族です。日本人を含む東洋人で少なく、西洋人で多いことから、食生活の違いによってBPHの頻度差があることが以前から注目されていて、ミネラル、脂質やビタミンの不足がBPHの進行に関連するのではと考えられています。

BPHというとサプリメント、ハーブに興味のある方は少なからず「Saw Palmetto:ノコギリヤシ」をすぐにイメージされると思います。元来、北米インディアンが妊婦の堕胎のためのハーブとして使っていた歴史のあるノコギリヤシがBPHの改善治療のために注目されはじめたのはそれほど古いことではありません。
私のアメリカ留学中、そして今も師匠であるDr.ライトをはじめ、多くの栄養療法に従事するドクターは、BPHの治療改善のための素材としてノコギリヤシをファーストチョイスすることは滅多にないというと「何故?」という声が聞こえてきそうですね。
BPHの原因はまだ明確にはなっていませんが、その原因の大きな背景の1つに上述のように食生活習慣からくる栄養素の過不足に関係していることはかなり濃いといえますが、その栄養素が間接的にホルモンの生産と分泌の機能に関与していることも事実だと考えられます。

ここから少し難しくなりますがついてきてくださいね。
そもそも北米インディアンが妊婦の堕胎のためにノコギリヤシを使っていた背景には、ノコギリヤシには男性ホルモンのテストステロンを非常に活性が高く強力に働くジヒドロテストステロンという形に変換させる酵素(5-α-リダクターゼ)の働きを抑制する成分が含まれていて、このジヒドロテストステロンによって妊娠を続けることを阻害されてしまうことがあります(ただ、当時のインディアンは習慣と体験的にこの作用を知ったのでしょうが・・)。ノコギリヤシに含まれる5-α-リダクターゼを抑制する作用は、BPHの原因の1つと考えられているジヒドロテストステロンの働きを抑制するために、BPHにはノコギリヤシが有効であるといわれてきたわけです。

しかし、ノコギリヤシにはBPHの治療改善効果がある反面、5-α-リダクターゼの過剰な抑制作用によって前立腺がん発症の危険がたかくなる可能性についての研究報告がこの10年間でいくつも報告されています。 この因果関係が明確にならない状態でBPHにノコギリヤシを安易に使うことには疑問の余地が多いとうこともあって、Dr.ライトをはじめとする多くのドクターはBPHの治療改善にノコギリヤシを第1選択素材としていません。

では、BPHに有効なほかの素材はあるのか?  それについては次回に・・・
by nutmed | 2007-10-12 13:06