2008年 01月 15日
副腎とは・・・
さて、先週の予告とおり、今日から暫くは副腎疲労症候群についてお話しましょう。
皆さんは副腎という組織がどこにあって、どんな働きをしているかご存知でしょうか? 大きさはクルミと同じくらいで、重さはブドウの巨峰1個よりも少し軽い程度。形は調度ミラミッドのような形で腎臓の上にある臓器です。

形(なり)はちいさくてもその働きは人間にとっては重要なそしてパワフルな働きをもった臓器です。俗に「ストレス調整臓器」とも言われるようにストレスに対する機能を持ちますが、それだけではなくホルモンの生産分泌、免疫、炎症、糖のコントロールに関わる働きのほか、炭水化物と脂質の代謝、たんぱく質と脂質のエネルギーへの変換、脂質の蓄積(特にわき腹と顔の頬)、胃酸のコントロールなどなど、副腎には多くの働きがあり、どれ1つをとっても人間の営みには欠かすことのできない働きばかりです。
また、副腎は加齢とともにその働きに変化がでてきます。思春期から青年期にはおもに生殖器で作られて来た性ホルモンは、中高年期になるとその多くが副腎でつくられるようになります。
さて、一般に副腎の機能が低下する病気としては自己免疫疾患としてのアジソン病(Addison's Disease)が有名ですが、これからお話していく現代病といっても言い副腎疲労症候群は症状こそアジソン病に類似していますが、アジソン病の診断のための臨床検査では判断できない部分があり、多くの場合症状はあっても臨床検査ではいたって正常な状態として治療もしてもらえずに悪化するケースが少なくない状況があります。
次回は副腎に負担を与える要因について・・・