2008年 01月 30日
副腎疲労症候群(AFS)のホルモン検査
我が家の紅梅もちらほらと蕾が開きはじめました。今週待つには2月のスタート。3月6日の啓蟄まではまだ時間がありますが、確実に春に向って生き物たちが活動しはじめたようです。
さて、今日は副腎の疲労状態を反映するホルモン「コルチゾール」の日内変動についてお話します。
副腎が作るホルモンであるコルチゾールには日内変動があり、通常、午前6時ころから生産が増え、午前8時ころにその生産はピークを迎えます。これはエネルギーを最も必要とするのが日中の活動期であるからです。その後午前11時から正午にかけて急速に生産は低下し、午後3時以降午前0時に前後に最も生産が低くなります。低い状態が翌日の午前5時から6時まで継続します。午後11時以降、翌朝午前6時ころまでは、日中のピーク時に生産されるコルチゾールの10%程度しか生産されませんが、これは日中に多くの精神的、肉体的ストレスを受け、エネルギーの供給のために限界状態で働いている副腎がリラックスをするための休息期になります。残念ながら、現代人の仕事、食事、居住などの生活環境を考えると、副腎の働きを限界以上に酷使するような環境を背景としたコルチゾールの生産異常が少なくありません。
栄養医学研究所が提携している東京のクリニックの協力を得て、十数人のだ液中コルチゾールを測定してみた結果の典型的な3例を数回にわけて説明します。
3つのグラフはともに赤い線がコルチゾールの下限黄色い線が上限でこの範囲に入っていることが望ましいと考えます。
例1:慢性疲労が8ヶ月継続していて、夜眠れず朝までほとんど眠れない状態でクリニックの検査で低血糖傾向であることがわかった32歳女性です。出版社の企画職にあり、勤務時間は不規則で徹夜の作業もあり。週2回ジムにも通い健康には気遣いをしていました。酒はワインを毎晩コップ2杯、タバコは吸いませんが、食生活は外食が多く、食事の時間も不規則。8ヶ月前から急に疲れが抜けなくなり、朝起きることさえ辛くなり、それと同時に動悸が激しくなることもしばしば。夜中に突然甘いものが食べたくなるようになり、ひどい場合にはシュークリームを10個まとめて食べていたこともあり。不眠が極端になりはじめ、ベッドに入っても朝まで全く寝付かないことが多くなり疲労感も極限にきていた。クリニックで検査をしてもらったところ1軒目のクリニックでは検査データは特段の異常値はなかったが、2軒目のクリニックで低血糖の傾向が確認された。

1日を通して全体的にアクティブなコルチゾールがフル稼働で生産されている状態です。日中も比較的高い状態が継続していて副腎には相当な負担がかかっていることがうかがえます。この女性にはこの後深夜から早朝にかけて2時間おきにだ液を採取してもらいコルチゾールを検査してもらいましたが、本来であれば副腎の休息期にはいっているはずのこの時間帯はピーク時の10%程度の生産のはずですが、日中とほぼ同じコルチゾールの生産状態にあり24時間を通して副腎の完全な休息期をもてない状態でした。
私が懇意にしているクリニックのドクターに聞くと、このようなケースの女性が最近多くなっているそうで、検査結果に異常がないことが多いために不定愁訴として片付けられてしまうことが少なくないそうです。
次回は職業から見たコルチゾールの値です・・・


