アダプトゲンについて

今日は朝からムシムシとするような陽気で、日中の最高気温も東京では27℃、きっと内陸部では30℃を超えていたところもあるのではないでしょうか。 こんな話題の季節ですから、おのずと話題はビールになりますね。 さて、今晩は日本中で何リットルのビールが消費されるんでしょうね・・

今日の話題は「アダプトゲン(Adaptogen)」についてです。
アダプトゲンという言葉は古くから使われているのですが、日本ではまだまだ馴染みのない言葉かもしれませんね。私がアメリカでハーブの勉強をしているときにはこのアダプトゲンについてシツコイくらいに叩き込まれた思い出があります。
アダプトゲンとは「人間の体の働きの恒常性(ホメオスターシス)を保つ作用機能をもつ成分」と訳されていて、それは薬(生薬・漢方)、ハーブが対象となっています。加えて毒性や副作用がなく、その作用が特定の臓器に限定されおらず、体の機能を正常に戻す作用を持っている成分となります。
東洋医学、中国医療、アーユベーダ、北南米インディアンハーブ療法では数千年も前から取り入れられていたアダプトゲンのコンセプトですが、この50年ほどの間にその有効性が現代科学で証明されるようになり、現代西洋医学にもアダプトゲンのコンセプトを取り入れた治療改善方法が実践されるようになりました。

アメリカのホリスティック療法やハーブ療法では古くから実践され、効果があることが証明されてきたもっともポピュラーなアダプトゲンは、ストレス耐性を高める療法とエネルギー生産能力の向上の療法ではないでしょうか。
この2月から長丁場でシリーズで紹介してきた副腎疲労症候群の改善のところでもハーブの紹介をしましたね。
ストレスコントロール臓器の副腎の働きを改善する目的で使われるハーブの中で、日本ではあまりなじみのないハーブ(漢方)が使われています。ポピュラーな素材としては、ロシアンハーブと中国漢方で使われている交感神経の働きを改善するロディオラ(Rhodiola rosea),循環器の働きをサポートするベニサンザシ(Crataegus sanguinea)、サンザシにはコレステロール抑制作用もあります。 コケモモに含まれるフラボノイドのミリセチン(Myricetin)、抗うつ作用が医薬品並みに強いチサンドラ(Schisandra Chinensis)などが代表的な素材として西洋医学でも使われる場面が増えてきました。
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ロディオラ
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ベニサンザシ
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チサンドラ

日本でも漢方医だけでなく、最近アダプトゲンのコンセプトを取り入れた療法を実践するドクターがポツポツとあらわれてきたようです。
by nutmed | 2008-05-22 17:06