Vol.409 世界的な食材の価格高騰

今日の東京は薄っすらと霧がかかった朝でスタートしました。寒暖計をみると昼にはすでに28℃をさしています。湿度がまだ低いので肌にジッとりとした汗はかかないのでまだ過ごしやすいですね。こんな日は海が恋しくなりますね。

さて、ガソリンの値段といい、小麦、トウモロコシの値段といい、バターが店先から消えることといい、最近の食糧状況には異変がでています。アメリカと言えば世界最大のエネルギー消費国として悪名が高いですが、日本ではあまり大きく報道されませんが、そのアメリカのエネルギー市場に大きな変化がおきています。
風力発電を皆さんご存じでしょうが、風力発電というとデンマークやドイツがすぐに思い浮かぶかたはかなりのエコ通ですね。しかし、この風力発電の発電量では意外にもアメリカが世界最大国なんですね。年間の風力発電量はデンマークが60万キロワット、ドイツが100万キロワットに対してアメリカは170万キロワットです。日本ですか?日本はたったの1万キロワットです。
話をアメリカに戻しまして、アメリカはこの風力発電量を向こう5年間で3倍量に増やそうと計画しています。この点は日本も電力会社のしがらみを抜けて早く欧米並に追いつかなければいけないでしょうね。一方でアメリカではこの2年ほどの原油高騰でガソリン代が高騰し続けています。私が初めてカナダに留学した今から32年前にはアメリカのガソリン価格は1ガロン(約4リットル)70セントくらいだったと記憶していますが、今は1ガロン4ドルに迫る勢いです。ブッシュ政権はこれを打開するために付け焼刃な対応でバイオ燃料に手をつけました。その結果、従来食物用として作付けされていたトウモロコシを高く買い取ってくれるバイオ燃料用に転用する農家が後を絶ちません。価格の問題もさることながら遺伝子組み換えトウモロコシが受け入れられない輸出用の価格低迷の絶好の転用となったわけです。
これによってトウモロコシの市場価格もウナギ昇りです。「トウモロコシはあまり食べないから・・」という問題ではありません。皆さんトウモロコシを原材料としている食材がどれだけあるかご存じですか? おそらく皆さんが毎日食べる加工食品の中に添加されている添加物の60%はトウモロコシの恩恵によってできていると考えられます。したがって皆さんは毎日トウモロコシの恩恵に預かっていると言っても過言ではないでしょう。
食物の価格高騰はトウモロコシだけではありません。どうやら大豆もバイオ燃料転用対象に入っているようです。また、原油と同様に投機対象になりはじめている食材も見逃せません。
タイでは政府系のファンドが米を先物市場で積極的に投機対象として金融商品化を行っているほか、小麦、黒コショウも対象リストに入っています。
私の立場でもトウモロコシや小麦、大豆の価格高騰は見逃せない話でもあります。
それはサプリメントの原材料だからです。この5年でビタミンとミネラルの素材価格は平均で20%上昇しています。残念ながらこの傾向は今後もしばらく続くようです。
特にビタミンCとビタミンEの素材価格はウナギ昇りです。この2つの成分の80%はトウモロコシから抽出されています。こんな現状がやってくることは想像もつきませんでしたが、栄養医学研究所では5年前からトウモロコシから抽出されたコーンシロップで作られたビタミンCは使用せずにサゴヤシから抽出したビタミンCを使っています。

日本では相変わらず内部告発やクレーマーによって白日の下にさらされる食の偽装問題、食の安全性で騒いでいますが、世界ではすでに食材の確保のための紛争が始まっており、皆さんが毎日当たり前のように食べている食物がある日突然店から姿を消す日、少なくともエンゲル係数がかつての2倍3倍になる日は遠くはないでしょう。日本は先進国の中でも最低の自給率国です。ある評論家がこんなことを言っていましたね、「日本を滅ぼすにはミサイルと兵隊はいらない。食材の供給をストップさえすればいい」と。
by nutmed | 2008-05-23 14:09