第419回 トランス脂肪酸について

まだまだ余震の続く東北宮城内陸大震災地域の方々は、安心して眠れない状況があって、相当なストレスが溜まっているころだと思います。すでに精神安定剤や睡眠導入剤などを処方してもらっている方もいると聞きますが、今後、薬剤への依存をしないようなケアも併せて考えてほしいものです。

さて、今日は読者の方からの質問に対する久々の公開回答です。
問い合わせ内容は「最近、脂肪酸のことが話題になっていて、トランス脂肪酸という脂肪酸は体によくないと聞きます。その理由はトランス脂肪酸は合成された脂肪酸でプラスティックを食べているようなものだそうですが本当なのでしょうか?」というものでした。

これもまたマスコミ・メディアの極端な比喩の一例だと思いますが、トランス脂肪酸はプラスティクとは違いますから安心してください。

脂肪酸には2種類あります。1つはバターやラードなどの動物やココナッツなどの植物に多く含まれる脂肪で、常温で固まる飽和脂肪酸。もう1つはオリーブオイルやフラックスオイルなどの植物やタラやサバなどの動物に多く含まれ、常温では固まりにくく、健康にいいとされる不飽和脂肪酸です。トランス脂肪酸は不飽和脂肪酸の1つですが、飽和脂肪酸と同じように常温で固まりやすい脂肪酸で、LDL-コレステロールを増やしてしまったり、細胞の働きを低下させてしまう可能性のある脂肪酸です。
食品中に含まれるトランス脂肪酸には、人工のものと天然のものがあり、人工のトランス脂肪酸は、不飽和脂肪酸を多く含む植物油が常温で固まりやすいように水素を添加し加工したもので、マーガリンやショートニング、ファーストフードのフライを揚げるときの油がこの類です。また体にいいとされるオリーブ油でも高温度で加熱することでトランス脂肪酸が生成されます。牛肉の脂肪や乳脂肪にも少量のトランス脂肪酸が含まれています。これは牛の胃の中に生息する微生物によって生成される天然のトランス脂肪酸です。食べた総カロリーの5%以上がトランス脂肪酸であった場合にはLDL-コレステロールの増加に影響を与えるという報告があります。

これだけ情報が入手しやすい世の中になったのですから、マスコミ・メディアに誘導されるだけではなく、自分で情報の取捨選択と責任を持ってその情報を確認することを考えてみてはいかがですか・・
by nutmed | 2008-06-18 08:12