2008年 07月 18日
第435回 痛みのコントロール素材 その4:ボズウェリア
この連休、私は群馬県倉渕にある知人の温泉旅館の離れを借りきってバイク仲間のオジサンたちと暑気払いに行ってきます。 すでに熱射病の報告が全国から届いていますので、連休中外出される方はくれぐれも水分の積極的な補給とビタミンC、マグネシウムの摂取を!
さて、今日は痛みのコントロールの3種類目ボズウェリア(Boswellia serrata)です。
ボズウェリアはインドのアーユルベーダのハーブ素材としてターメリック同様古くから使われてきたハーブです。非ステロイド抗炎症物質(NSAIDs :non-steroidal anti-inflammatory agents)としての有効性は非常に高いと言えます。

ボズウェリアには強力な抗炎症と鎮痛作用があり、その成分はボズウェリアの樹皮から抽出されるボズウェラ酸という物質にあります。
ボズウェラ酸が炎症を抑え痛みを鎮める作用の背景には、炎症を引き起こす物質であるロイコトリエンとリポキシゲナーゼ(5-lipoxygenase:5LOX)を抑制することにあります。ボズウェリアがが最も有効な炎症はリウマチや胃腸の炎症をともなうクローン病、過敏性大腸炎、潰瘍性大腸炎などの慢性的な炎症です。
2003年6月にアメリカで発表された研究によると、30名のひざの激しい痛みをもった慢性関節炎患者にボズウェラを8週間投与したところ、28名の患者でひざのむくみと痛みが大幅に改善され、ひざの動きが楽になったと報告しています。この30名はこの実験の8週間は処方されていた抗炎症薬と鎮痛剤を全く服用せずに実験に参加しています。
ボズウェラは日本ではクルクミンに比べるとまだ認知度が低いハーブですが、その抗炎症作用はクルクミンと同等またはそれ以上とも言われています。クルクミンで炎症が抑えられなかった方にボズウェラが有効であったケースは少なくありません。
日本でもボズウェラの入手はできるようになりましたが、選択のポイントは有効成分であるボズウェラ酸がどのくらい含有しているかということで、目安は最低でも35%以上のボズウェラ酸を含有しているものでなければ効果は期待できにくいと思います。抗炎症効果が期待できる摂取量の目安は1日1200mgから1500mgで、この量を1日3回にわけて摂取するといいでしょう。
今までに報告されているボズウェラの副作用は稀ですが、下痢、頭痛などがある場合があります。