第441回 カルシフェロール(ビタミンD)について  その2

明日から葉月です。陰暦では葉月ですが、本格的な猛暑はこれからのようですね・・
今朝日本時間の30日未明にロスアンジェルスで比較的大きな地震があったことをアーバインに住む友人のドクターからのメールで知りました。けが人が出ているということでしたが、最近では珍しいほどの規模の地震だったそうです。ご存知の方もいるでしょうが、なにやらネットでは9月13日に大地震が日本を襲うという預言の話でもちきりのようですが・・信憑性はともかくも、地震大国の日本、いつ大きなのが来てもおかしくない状況に変りはないようですから、備えだけは万全にしたいものです。

さて、ビタミンDについての2回目です。
前回お話したようにカルシフェロールの主要な働きの1つにカルシウムとリンの体内での蓄積バランスの調整とカルシウムとリンの骨への作用のサポートがありますが、カルシフェロールはマグネシウムの吸収にも大きく関わっているビタミンでもあります。
2006年に、栄養医学研究所で行っている爪による体内ミネラル分析の過去3年間のデータを分析したときに、クリニックや病院から受託した652件の爪分析の中でマグネシウムが極端に低かった62例について主治医に血中ビタミンD量の指標である25-OH ビタミンDの検査をお願いしてみました。患者さんの同意を得て血液検査をしていただいた41例の中で25-OH ビタミンDの値が基準値よりも低かった患者さんは予想を上回る23例も出てきました。

その後、この23人の患者さんにヒアリングをさせていただいたところ、非常に興味深く、またカルシフェロール(ビタミンD)の作用とメカニズムを裏付けるような結果がでてきました。
23人のうち女性は18名、その年齢は下は17歳から上は67歳。驚いたのは18名の女性のうち10代と20代が8名もいたことです。20歳代の女性のうち日常の食生活内容を確認できた3名の食事内容をみると、全員が減量をしていて「まとも」な食事は1日に1回、おまけに主食は繊維質やコンニャク、○○ダイエットと呼ばれるようなクッキーとスープが中心の内容でした。
メニューを見ただけで唖然としてしまったことを記憶しています。
残りの5名は男性で、注目したのはその中の1名でした。年齢は29歳、いわゆるフリーターで、夜間の高速道路の街路灯の交換をするバイトを25歳から続けていました。仕事は深夜から早朝まで続き、就寝は午前7時で起床は午後5時前後という典型的な「夜型」生活スタイルです。
この時点で、やはり紫外線にあたる時間が極端に少ない為にコレカルシフェロール(ビタミンD3)の皮下合成が不十分なんだろうと想像していましたが、彼の食事内容を確認させてもらったところ、予想に反してかなり栄養には注意していて、不規則な時間帯勤務なので余計に体に気を使った食材選択をし、バランスの良い栄養管理をしていました。
食材を見てもビタミンDが不足しているとは言いがたい素材ばかりです。では、何故血液中の25-OH ビタミンDの値が低かったのでしょう・・
このときに文献をかなり漁って検討をしてみたところ、カナダの内分泌学を専門とするドクターの研究グループの研究報告に、体内での働きを比較してみると、紫外線によって皮下で合成されるコレカルシフェロール(ビタミンD3)んほうがよりアクティブであるとともに、食材から得られるエルゴカルシフェロール(ビタミンD2)だけでは人間のいとなみに必要なカルシフェロール(ビタミンD)を賄いきれないという報告がありました。
さらに、肌の色と人種の差はありますが、比較的肌の色が濃くない日本人では、一般に1週間に紫外線を80-150分間肌に受けることで必要なカルシフェロール(ビタミンD)が合成されるはずです。

マグネシウムの吸収が低下することは骨だけでなく、ホルモンの合成、酵素の生産、免疫応答の働きなどにも大きく影響を及ぼすことになります。
by nutmed | 2008-07-31 23:25