第447回 閑話休題 ビタミンB群とグルメ

昨日は全国が北島選手の勝利に酔いしれたことでしょう。珍しく涙の会見で、この4年間の彼の葛藤を物語っているようでしたね。

さて、今日は話題を変えてグルメ料理とビタミンB群の不足についてお話したいと思います。
昨日、銀座の老舗で某有名フレンチのシェフと話をする機会があって、ひょんなことからビタミンB群の話で盛り上がりました。この話は私が懇意にさせてもらっている四谷のクリニックのドクターから聞いた話が最初にあって、昨日その話の真相を彼に振ってみて再確認したものです。

結論から言うと、日本人の食が欧米化し、味を追求してきた結果、人間には重要な栄養素であるビタミンB群が不足しはじめている可能性があるという話なんです。
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バブルがスタートして以降、事の良し悪しは別として、日本人の舌は非常に肥えてきて、いつしか素材そのの味の追及を超越して、万人にいかに「うまい!」「おいしい!」と言わせるかの果てに、料理の雑音となるような「苦味」「えぐ味」「独特の臭い」を可能な限り排他してきたのが現代の万人に受ける料理になってきたそうです。
特に、えぐ味。えぐ味の正体の多くはシュウ酸という物質ですが、実はえぐ味の中にはビタミンB群がかなり入っています。
サプリメントでビタミンB群を飲んでいる方は、あの独特の臭いと舐めたときのえぐ味はご存じだと思います。某製薬メーカーが販売しているアΟナΟンも比較的独特な臭いがしますね。

料理人の多くはこのえぐ味を「味の追求」という観点から排他してきたようですが、その1部がビタミンB群独特の味であることは多くの場合気づいていなかったようです。驚くことにこれは料理人が調理をする段階にとどまらず、レストランが使う野菜などの素材を育てる畑の段階、納品前の加工の段階でも「処理」が行われているものがあるそうです。

実際に彼にビタミンB1、B2、B3、B6を個別に舐めてもらったところ、「これこれ、このえぐ味がだめなんですよ」のコメントをいただきました。

今朝から食品会社に勤務している大学の友人にこの件を話して確認してみたところ、加工調理済の食品の中には、やはりこのえぐ味を徹底的に排他処理をしているものもあるようで、ひょっとすると現代人の食生活で幅を利かせている加工食品ではビタミンB群の不足が想像以上に進んでいる可能性があるかもしれませんね。

灰汁(あく)抜きという調理法は日本だけでなく世界中でかなり古くから見られる方法ですが、これはビタミンB1(チアミン)を分解してしまう酵素を除くための方法ですから、本来は味の問題を解決するものではありませんでした。

何かを追求することで何かを犠牲にするというのは世の常のようですが、できればビタミンB群は犠牲にしてほしくはない栄養素です・・
by nutmed | 2008-08-12 17:10