2008年 10月 08日
第467回 マグネシウムについて Vol.2

さて、今日はマグネシウムの2回目です。
日本では相変わらず「カルシウム、カルシウム・・」と官民一体で声を大にしています。確かにカルシウムは人間の生命には不可欠なミネラルですが、そのカルシウムが確実に働くために骨や細胞に取り込まれるためにはマグネシウムが不可欠であることはあまり紹介されていません。1984年の世界的に歴史と権威のある医学雑誌「ニューイングランドジャーナルオブメディシン(New England Journal of Medicine)」の310号で、Levine BSらの研究によって、カルシウムが細胞内に取り込まれる(専門的にはカルシウムチャネル)ときにはマグネシウムがカルシウムをガードするように働き、カルシウムの働きが終了すると細胞からカルシウムを放出するメカニズムがあり、細胞に取り込まれるカルシウム量をマグネシウムが調整していることをマウスによる実験で証明しました。
脳梗塞性疾患、偏頭痛疾患、てんかん性疾患、精神病疾患、疼痛性疾患、血圧の降下、狭心症、不整脈に対する治療薬として頻繁に処方されるカルシウムチャネル阻害剤は人間が合成して作られた薬で、過剰なカルシウムが細胞内に供給されることによって起こるこれらの症状を改善するために、細胞に供給されるカルシウム量を阻害する目的で作られたものですが、マグネシウムは言ってみれば天然の、人間の体内環境に即したカルシウムチャネルコントロール作用をもったミネラルであるといえます。
人の体内に存在するマグネシウムの65%ほどは骨と歯に、残りは筋肉、細胞内、体液に貯蔵されています。その中でも最も貯蔵量が多い臓器は心臓と脳だといわれています。
血圧が上昇したり、うつ状態が続くような場合で、臨床検査を行っても異常な数値が現れなかった、いわゆる不定愁訴を持つ患者に対して、栄養療法に従事している医師がファーストチョイスする栄養素の1つがマグネシウムです。
人間の血液の中を流れているマグネシウムの総量はおよそ1%と言われています。わずかな量でも体内環境に大きな影響をもたらすマグネシウムではありますが、体内に存在する総量の1%が血液中を流れているわけですから、血液検査、それも血清成分中のマグネシウムを分析して、その数値で一喜一憂することには注意しなければなりません。


