第468回 マグネシウムについて Vol.3 面白い実験

昨晩、といっても今こうしてブログを書いているほんの数時間前まで、今年初のフグを堪能してきました。友人の男性ドクター1人と女性ドクター1人が連れ添っての食事会でした。昔はあまり好きではなったフグですが、年齢のせいかあのたんぱく過ぎるくらいの肉は本当に良い食材だと最近感じています。

おかげさまでこの8月以降1日あたりのブログ閲覧数がウナギ登りで上昇していまして、1日500ヒットを超える日がではじめました。また、そっとメールでいただく質問も、その内容からあきらかにドクターである内容も多くなってきました。質問を出すということは興味があると受け止めていますので、私としては専門家であっても一般の方であっても、栄養素学に興味を持っていただくことはうれしい限りです。

さて、マグネシウムの話題が3回目に突入です。
日本でも最近はカルシウムとマグネシウムの摂取に際しては、双方の摂取比率が重要であることが言われるようになりましたね。これはカルシウムとマグネシウムが互いに拮抗作用を持つためです。マグネシウムは体内の生化学的反応にかかわる酵素の働きを助ける「補酵素」として多くの酵素が必要とするミネラルです。現在までにわかっているその酵素の数は実に325種類です。
前回のブログで、マグネシウムがカルシウムの細胞への吸収や、その働きをコントロールしていることを話しましたが、マグネシウムがどのようにカルシウムの細胞への取り込みにかかわっているのかを知るための面白い実験方法を紹介します。この実験は同時に、皆さんの体内で起こり得るカルシウムとマグネシウムのアンバランスがどのように作られるのかをも理解できる実験です。
まず準備してもらうのはカルシウムのサプリメントとマグネシウムのサプリメントです。両者のサプリメントは必ずカルシウムだけ、またはマグネシウムだけが配合されているサプリメントであることが必要です。最近日本でも販売されているカルシウムサプリメントは良し悪しは別として、マグネシウムも多少配合されていることもありますので、ラベルをよく見て必ずカルシウムだけが配合されているものにしてください。マグネシウムも同様です。場合によってはサプリメントでなくても薬として扱われているカルシウムまたはマグネシウムでもかまいません。

次に、約50ccの水をいれたコップを用意してください。このときの水はもちろんミネラルウォーターではなく、水道水です。

最初にカルシウムとマグネシウムの錠剤を別々にガーゼまたはハンカチに包み、金槌(かなづち)などの固いものでたたき細かく砕いてください。(カプセルであれば中身を出してください)

はじめに砕いたカルシウムの粉を水の入ったコップに静かに入れて、小さじで静かに攪拌してください。このときに水が白く濁ると思いますが、完全には透明にはならない、つまり水溶性のカルシウムではありますが水には溶けきらない状態であるはずです。

続いて、砕いたマグネシウムの粉をそのコップの中に静かに入れて、小さじでそーっと静かに攪拌してみてください。

コップの中で溶けきらずに白く濁っていたカルシウムが、マグネシウムの粉を入れて攪拌しはじめると溶けはじめ、透明に近い状態になっているはずです。

その現象と同じことが皆さんの血液中、心臓、脳、腎臓や多くの細胞組織で日夜起きていると思っていただけると、カルシウムとマグネシウムの関係およびいかに両者のバランスが重要であるかがわかっていただけると思います。
つまり、たとえるのであれば、皆さんがカルシウムの細胞への取り込み吸収とそれをコントロールするために必要十分なマグネシウムを摂取し、体内に持ち合わせていなければ、カルシウム過剰が引き起こされ、カルシウム過剰による筋肉痙攣、繊維筋痛症、動脈硬化、虫歯などの症状を招く可能性が高いということになります。
この状態が腎臓でおこれば、カルシウム過剰にる結石を作りやすい状況が生まれます。

アメリカの大リーグの栄養トレーナーが選手の筋肉痛だけでなく肉離れや痙攣を予防し、治療するためにマグネシウムのサプリメントを積極的に選手摂取させるのはこの背景があるからです。
by nutmed | 2008-10-09 00:19