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第475回マグネシウム Vol.9

昨晩というか真夜中12時を回ったころに、久しぶりに私の師匠であるシアトル、タホマクリニックのDr.ジョナサン・ライトと1時間ほど電話で喋ることになりました。話題は、彼がこの数年多忙を極めているバイオアイデンティカルホルモンとその研究会や講演会でほとんどシアトルにいない日が多くフラストレーションが溜まっていること。彼は基本的に臨床医ですから、患者を治療することが最大の喜びでもあります。もう1つの話題は、新たな「がん治療」についてでした。最近、日本でも欧米を追随するようにビタミンCの大量点滴療法が盛んになりはじめ、特にがんの治療分野でも有効性が証明されはじめています。今回Dr.ライトから聞いた新たながん治療法は、同じ点滴によるものではありますが、副作用がほぼ0に近く、いままでにかなりの研究をされエビデンスを持った、逆に言えば言い尽くされているような物質を用いた点滴療法です。
ちょうど私は11月4・5日とタホマクリニックでの研修がありDr.ライトともゆっくり時間をとって話すチャンスがあるので、ことの詳細をじっくりと聞いてこようと思っています。

さて、唐突ですが、皆さんはカルシウムとマグネシウムの最適な摂取比率をご存じでしょうか?
最近は健康雑誌やメディアでもこの黄金比について書かれていたり説明されているので、頭のどこかに残っているかもしれませんね。俗に、カルシウムが2、マグネシウムが1で2:1の割合が人間の体にとっては最も適しているといわれています。
しかし、アメリカの国立栄養研究所の書いている書物を見てみると、かなり昔、そう100年ほど前の人たちが食事から得ていたこのカルシウム:マグネシウム比を平均したところ、限りなく1:1に近いことがわかったようです。それに比べ、現代人のカルシウムとマグネシウムの摂取比を調査してみると、欧米でも日本でも5:1から15:1であり、カルシウムの摂取量がマグネシウムの10倍以上のケースが珍しくないということです。
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これは、政治的な背景を含め、この数十年間に世界中で積極的なカルシウム摂取を啓蒙してきた結果であると思います。俗に「Milk Positive」といいますが、「カルシウム不足=骨がもろくなる}という図式が鮮明に打ち出され、社会の高齢化が追い風となってこの公式はますます強くなってきたように思われます。ただ、私があまり納得できないのは、「カルシウム不足=骨がもろくなる=牛乳を飲めば解決」という公式です。この話題を話し出すと1日では終わりませんのでまた時間を見てということに・・・

今までの8回でマグネシウムの性格と、マグネシウムは他のミネラル、特にカルシウムとは密接な関係にあるミネラルであることを話してきました。カルシウムもマグネシウムも吸収とその後の代謝には互いが必ず必要になる関係にあるわけです。どちらが多すぎても少なすぎても好ましくはないどころか、逆に体内環境への影響がでることが少なくはないともいえます。

その点では残念なことに日本の市場で販売されているカルシウムのサプリメントにマグネシウムを上手に配合しているものは多くないと言わざるをえません。

今日の最後に皆さんに1つ注意していただくべきことをお話しておきます。
カルシウムやマグネシウムの摂取比率など、栄養素の話では切っても切れないこの「摂取率」ですが、体内での代謝を考慮した研究であればいざ知らず、日本で行われている「国民栄養調査」などを含め多くの場合には、「食べた食材またはサプリメントなどに含有されている栄養素」を単純に合計し、口に入る前の段階でそれぞれの栄養素がどのくらいあり、摂取したかという数字が出されているわけです。ここで、よく考えなければいけないのは、食べたり飲んだりしたものがすべて体内で作用するわけではないということですね。まず、考えなければいけないファクターは消化分解能力です。ここに年齢やストレスの大小、病気の有無、飲んでいる薬の有無など様々なファクターが関与してくるわけです。
私は講演会での質問やメールでの問い合わせでも「この2つの栄養素はどのくらいの比率で摂取すればいいですか?」という類の難問を投げかけられることがありますが、大抵の場合「あなたの現在の食事や住環境、ストレス耐性の高低から考えて、あなたが最も体調やバランス、場合によっては気分がいいと感じる比率をまず参考にしてみるといいですよ」とお答えしています。
by nutmed | 2008-10-21 11:39