2008年 11月 19日
第491回 マグネシウム不足の兆候 Vol.13
さて今日からようやくマグネシウムのテーマに入ります。
マグネシウムのテーマも年末にかけて架橋にはいります。
人間では、重症のマグネシウム欠乏症は非常にまれなことです。それは体にはマグネシウムを貯蔵して維持するための高度に発達した能力が備わっているからです。軽度から中等度のマグネシウムの枯渇はよく見られますが、この原因にはいくつかあり、胃腸疾患(脂肪性下痢、腸管切除)による吸収率の低下、抗生物質による治療、タンパク質を中心とする栄養摂取障害、腎障害、腎臓透析などです。副甲状腺という組織の働きが高くなったり、糖尿病の場合、マグネシウムが尿中に排泄される量が増加し、一時的に低マグネシウム血症に至ることもあります。
自分がマグネシウムが不足から枯渇に近い状態であるかどうかを知るためには、毎日の生活の中で現れる自覚症状を見逃さないことも大切です。
一般にマグネシウムがかなり不足してくると、神経および筋肉の過敏性が上昇し、神経性チック、振え、筋肉の痙攣などが起こります。妊婦さんの中で妊娠後期におこる痛みをともなう子宮収縮の多くはマグネシウム欠乏により生じることが少なくありません。日本ではあまり聞きませんが、アメリカやドイツなど欧米では、妊娠初期の妊婦さんはもちろん、これから妊娠を予定している女性にはカルシウムと同じくらい、またはそれ以上にマグネシウムの補給を勧めます。
このほか不整脈や頻脈の原因にもマグネシウム(およびカルシウムも)が深くかかわっていることがあります。
現代人の食生活を考えると、一番多い症状は筋肉のけいれんではないでしょうかね。目のまぶたがピクピク動いたり、足のふくらはぎのあたりがピクピクしたり、腕や手の指が勝手にピクピク動いたりするような経験がある方はマグネシウム不足の兆候と考えてもいいでしょうね。