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第512回 脂肪コントロール指令シグナル 「レプチン」

昨晩のクリスマスイブ、皆さんはどのように過ごしましたか?私はいちものように教会に行って心静かにイブを迎えました。

今回から具体的に紹介する3つの脂肪コントロール指令シグナルについては少し難しい話になるかもしれませんがついてきてくださいね。
2008年5月にアメリカの医学誌(Molecular Endocrinology)でペンシルバニア大学医学部内分泌学研究室で糖尿病と代謝の研究を続けているAhimaらが脂肪細胞の数とその大きさは、脂肪細胞コントロールにかかわる3つの指令シグナルによって調整されていることを報告しています。その中の1つがこれから紹介するレプチン(leptin)というホルモン様物質です。
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Leptinとはギリシャ語の「leptos」という細いという意味の言葉が語源になっています。レプチンには主に2つの働きがあり、1つは、かつて一世を風靡したXX大辞典でも取り上げられたことがあり、俗に「満腹中枢刺激ホルモン」と呼ばれ、脳が「もう腹いっぱいだから食べなくてもいいよ」というように食欲を抑えにかからせる働きです。もう1つの働きは脂肪細胞に働きかけ、脂肪細胞の中の中性脂肪の分解を促し、脂肪酸に変換させる働きです。
ここで興味深いのはこのレプチンが脂肪細胞から分泌されているということです。そして、その成り行きから想像できるように脂肪をたっぷりと貯め込んだ肥満の人のほうが、痩せているひとに比べてレプチンを作り分泌する量は多いこともわかっています。
道理からいけば肥満傾向にある人のほうが脂肪細胞が多く、レプチンを作り分泌する量も多いのだから食欲コントロールも中性脂肪の分解もしやすいはずですね。しかし、レプチンは脳に送られてはじめて食欲コントロールと中性脂肪の分解促進の指令を出すわけですから、脳内にレプチンが送られなければいけません。
ここで登場するのがCRPというタンパク質(C-Reactive Protein)です。CRPは感染や炎症があると放出されるタンパク質なので病院やクリニックの血液検査ではおなじみの物質でもあります)簡単に説明するとこのCRPがレプチンと結合することで脂肪細胞コントロールにかかわる指令シグナルとしての働きがなくなってしまいます。そしてこのCRPもまた脂肪細胞で主に作られているタンパク質です。
肥満傾向にある人や中高齢で脂肪が中々消費できない人の多くは、腹八分目の指令を出して食欲をコントロールし、中性脂肪の分解を促すレプチンとCRPが血液に流れる前に結合されてしまうことで脳内にレプチンが送られ難い状態にあると考えられています。
by nutmed | 2008-12-25 09:26