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第540回 ビタミンK 吸収効率

今週は思いのほかスケジュールが密で、深夜にいたる業務もあったりとブログ更新を怠けてしまいました。

さて、今日はビタミンKの吸収効率についてです。
ビタミンKの初回でビタミンKには現在までに7種類の存在がわかっていて、自然界に存在するのはその中のビタミンK1(フィロキノン)とK2(メナキノン)であることを説明しました。両者ともにいろいろな植物に含まれているビタミンですが、薬で処方されるビタミンKにはK1製剤(フィトナジオン)とK2製剤(メナテトレノンなど)があります。
K1とK2ではどちらが有効なのか? それは症状や体内環境、特に腸内環境によって選択は異なると思いますが、1つの目安として面白いデータがあります。それはK1とK2のどちらが吸収が良くて、体内でアクティブに機能してくれるのかという研究報告があります。

下のグラフはビタミンK1とビタミンK2の血液中の値が時間の経過とともにどう変化するかを表したものです.緑の線はビタミンK2で赤の線はビタミンK1です。1mgのビタミンKを飲んでからの血液中のビタミンKの値の変化を見ています。2つのビタミンKともに飲んでから1-3時間で最大値のピークを迎えますがビタミンK2のほうがK1よりも早く血液中に出はじめています。その後K1は24時間ほどで血液中から消えてしまいますが、K2はその後もゆっくりと少なくなり98時間ほど経ても血液中に残ります。
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次に、同じビタミンK2でも植物から抽出されたビタミンK2と薬のように合成されたビタミンK2ではどちらのほうが吸収効率がよく体内で働く時間が長いかを調べたデーターを紹介しましょう。
これはオランダのマストリッヒ大学で行われた実験でデーターです。
黒い線のMK-7というのは植物から抽出したいわゆるナチュラルなビタミンK2で、灰色線のMK-4は人間によって合成された医薬品のビタミンK2です。これも同じように1mgを飲ませて血液中に現れるビタミンK2の量を時間の経過を追って見ています。
血液中に最も高い値として現れてくる時間、つまり吸収の早さは合成されたMK-4のほうが2時間ほど、ナチュラルのMK-7は8時間ほどです。合成されたMK-4のほうは、血液中から消えてしまう時間が早く、飲んでから12時間も持ちません。一方ナチュラルなMK-7のほうは、飲んでから12時間ほどまではNK-4と同じように急激に下がりはしますが、血液中から消えることはなく、その後もゆっくりと下がり90時間ほどは血液中に存在し続けます。これは、薬で使われる合成されたMK-4よりもナチュラルなMK-7のほうが体内に留まる時間が長いということで、言い換えれば骨をはじめ体内の細胞のいたるところにまでビタミンK2が運ばれて働いてくれるということです。
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医薬品として合成でつくられたビタミンK2は、その作用を維持するためには比較的大量に飲まなければ、治療目的を達成できない可能性が高いとも言え、以前に紹介したような血液を固まりにくくする薬(ワーファリンなど)に対して影響がでるような「副作用」がでるわけです。しかし、植物に含まれるナチュラルなビタミンK2は、医薬品として処方されるような大量のビタミンK2を飲まなくても、一定の量を適切な間隔で飲むことで十分体内で作用してくれることになりますから、薬のような副作用のリスクも低いといえます。

次回はビタミンKの最終回です・・
by nutmed | 2009-02-06 17:23