2009年 03月 07日
第551回 減量の心得
今日明日は全国的に薬剤師の国家試験があります。我が家の一人娘もこの春から新社会人となる前に、4年間の集大成である薬剤師の国家試験に臨んで、今朝も5時に起きて6時には試験会場へ出かけていきました。考えてみれば子供の成長は本当に早いものです。彼女の節目節目で迎えてきた試験は数多くありましたが、私は今まで決して「頑張れよ!」と声をかけたことがありません。私が言わなくとも彼女は彼女なりに頑張ってきたことは親である私自身が一番理解しているつもりなので、頑張れという言葉をかけることは彼女にとって、何か失礼になるような気がして今まで一度も声をかけたことがありませんでした。今朝、彼女が家を出る前に私の部屋にやってきて「じゃ行ってくるから・・」と言ってくれたときに、一瞬私は何と声をかけてやればいいものかと悩みました。それでも私の口をついて出た言葉は「しっかりやっておいで・・」でした。今考えるともっと気の利いた言葉をかけてやればよかったかとも思いますが、彼女は4年間の集大成を見事にその成果としてあらわしてくれると信じて送り出してやりました。
さて、昨年のブログでも紹介しましたが、私が栄養カウンセリングに出ている2つの病院とクリニックで昨年からスタートさせた減量プログラムが徐々にその成果を見せ始めていて、青山のクリニックでは本格的に肥満を対象とした減量プログラムをスタートさせることになりました。
先日も女性で肥満に悩む方のカウンセリングを行いましたが、以前から肥満傾向にある方の共通点として、食事の仕方、特に食べるスピードが異常に早いことは知られていて、この女性もその典型的なケースでした。
世の中の医療施設で肥満改善のためのカウンセリングは広く行われていて、この早食いは真っ先に注目されてアプローチをされてはいますが、「あなたはまず食事をゆっくり食べないと・・・」と言った通り一辺倒な指導が行われていることが少なくありません。しかし、当の本人はそんなことは言われなくても理解していることだし、今までも何回となく他人から言われてきたことだと思います。実は、これが肥満改善、時に食事指導をスタートさせるときの最も注意しなければいけないポイントだと私は考えています。以前から私はストレスのない食生活を言い続けてきましたが、このストレス、この場合には本人の癇に障ることがそれになりますが、折角本人が減量にまじめに取り組もうとクリニックにやってきているのに、最初からその意欲をそいでしまうような指導は、この先の減量プログラムの進行に大きな影を落とすことになりかねません。
私がいつも心がけていることはクライアントがストレスをためずに、意欲を損ねないように進めることです。そのためには一律にすべてのクライアントに同じ対応はできないことになり、クライアントごとに精神的な壁を取り除いてあげつつ、ハードルを低く設定し、自分の手の届く範囲から実行してもらい、1つ1つのハードルを越えることができた満足感を持たせながら着実に前に進んでいくことが重要と考えています。
今回クリニックを訪れたクライアントの女性にも、まずは簡単で本人が苦痛に思うことなく、手の届く範囲からできることとして、「咀嚼(そしゃく)」、つまり食材によって噛む回数を考えた食事をまずは1週間実行してもらうことだけに専念してもらいます。実は多くの肥満の方はこの咀嚼にまじめに取り組んでもらうだけで2-3kgの減量は確実に成就できるんです。きっとこのクライアントもそれを感じ取ってくれると信じています。
世の中相変わらずダイエットブームは続いていますが、もしあなたが確実に減量を成就させたいと思うのであれば、ストレスをためない食生活から取り組むべきだと思いますね。最初から高い目標を設定するのではなく、低い目標でかまわないから確実にステップアップができるような自分の性格と意思と相談の上で決めた目標です。


