第552回 カンジダ菌 ふたたび・・・

国試の正式な発表はまだですが、どうやら自己採点では「サクラサク」のようです。親の私たちも大喜びですが、当然、本人が一番喜んでいるようでして、晴れて4月から社会人の仲間入りとなります。

さて、桜の便りが我が家だけでなくあちこちから聞こえ始めてきたこの頃、今日の東京も午後から一気に気温が上昇しましたが、そこはまだ3月初旬。夜になると未だ肌を刺すような冷たい風が関東平野を走りぬけています。

そんな今日の午後、ネットで検索してこのブログにたどりついたという兵庫在住の女性から1本の電話が届きました。内容を聞くと、10年以上前から重いアレルギー症状と化学物質過敏に悩まされていて、過去に13回ものアナフィラキシー症状で救急車のお世話になったということで、ステロイドは9年間継続し、一時的に症状は穏やかになるものの、その後異常なという表現が適当なほどの味覚過敏と臭気過敏に襲われ、薬だけでなく、サプリメントや食材の多くに反応し受け付けることができないほどに至っているとのことでした。
病院やクリニックにも行き検査を受け、過去の症状を説明はしても検査結果がほぼ正常値な状態から、具体的な症状の説明もなく薬を処方されることが少なくなかったそうです。できれば薬による治療ではなく栄養療法を試してみたいので、大阪・神戸など関西方面で本格的な栄養療法を実践していて、今の症状の根本的な原因究明とその改善・治療をしてくださる医療施設を紹介してほしいとの電話でした。

残念ながら私の知り得る限りでは関西方面で彼女の症状をケアしていただける栄養療法を実践している医療施設を知らないために、紹介をしてあげることはできませんでしたが、短い電話での会話の中でいくつかの質問をした結果、かなりの確度で「カンジダ菌」の増殖が過去から今の症状の原因になっている可能性を感じました。彼女が持っているいくつかの症状にはカンジダ菌の影響による症状と酷似しているものが多く、一夜にしてアトピー症状を伴う皮膚炎を発症したことや、食事をしてから数時間すると疲れること、傷などがすぐに化膿してしまいなかなか治りにくいこと、極度の臭気、味覚過敏があることなどを総合すると、その疑いはかなり濃いものとなりました。そして不思議というか残念なことに何年か前に受けた人間ドックで胃カメラを飲んだときに、担当医から「ああ、こんなところにカンジダ菌が繁殖して白くなってる。食道にカンジダ菌が繁殖するのは珍しいね・・でも体のどこにでも居る菌だから・・」と告げられた経緯があるとのことで、私は彼女に、その時にそのドクターから抗真菌薬の処方はされなかったのかを確認したところ、彼女が薬に対する過敏症があったこともあるようですが、「このくらいならすぐ治るから大丈夫だろう・・」のようなコメントしかもらえなかったということでした。この時点で彼女の症状を考慮し、薬や食材の過敏のことも考慮したうえで何らかの対応をスタートしていたならば、改善の方向に向いていた可能性は否定できないだけに残念でした。

実は彼女の持っている症状のすべてではないものの、かなり共通の症状を持ち、検査では正常値であるがゆえになかなか症状の原因がつかめていないだけでなく、症状が悪化してしまう方は少なくないと言ってもいいでしょう。
誤解があるといけませんから、私自身は栄養療法が全てを解決するとは思ってはいません。抗生物質や最新の薬、手術、化学療法も必要であることは間違いありません。ただ、検査値は正常であっても、目の前にいるクライアントが明らかに正常ではない症状を持ち、少し踏み込んで生活習慣、食生活、ストレスの状態をヒアリングすることでわかる背景もあります。
このブログを購読している方の中にはドクターも少なくないと思いますが、クライアントの不定愁訴の原因を究明するときに一度カンジダ菌を考えてみてはいかがですか。
by nutmed | 2009-03-10 23:03