第555回 公開回答

先週末に無事帰国しました。極寒のドイツ(今年は比較的寒いそうです)から初夏を思わせる日本に帰ってきたら早速体調を崩しました。それでも我が家の庭の桜はもうすぐ開花のところまできています。

今回の出張では重金属の問題が世界的にかなり深刻になっていることが報告されていて、特にアジア圏では深刻な問題ととらえるべきとの共同声明がだされたほどです。今朝のラジオでも報道されていましたが、お隣の中国で燃やしている石炭から発生する水銀が風に乗って韓国や日本にまで到達していることも先週のミュンヘンの学会で一足早く報告されていました。風に乗って運ばれてくるのは黄砂ばかりではないわけです。
報道では危険な水準ではないと言っていますが、以前から説明していますように一度体内に侵入してきた水銀はすぐに体外に排泄されるとは言えません。僅かな量であってもそれが常時続くことで体内に蓄積される量は想像以上の量になります。
ただでさえ、日本は魚だけでなく歯科治療で使用してきたアマルガムやワクチンからの水銀汚染が懸念されているだけに、また1つ汚染源が増えたわけです。もっとも中国の石炭に由来する水銀は昨日今日はじまったことではないので、ようやく国も目を向けるようになったことだけでも幸いだというべきかもしれませんが・・・

今回の出張ではこの話題以外にも収穫がありました。ドイツのニュルンベルグで開業する内科のドクターから非常に強力な抗生物質作用を持つナチュラルな素材の紹介をしてもらいました。この素材は日本ではまだまだなじみのない素材ですが、抗生物質の処方を懸念する高齢者や小児、カンジダ菌症の患者には非常に有効であることが既に報告されています。その作用のしくみを聞くと十分納得のできるすぐれた素材であることが理解できました。副作用もないので今後私も使ってみたいと思っています。

さて、前置きが長くなりましたが、ドイツ出張中に読者の方から質問がありました。先月アメリカで行われたDr.ライトのセミナーに参加したときに私がDr.ライトと会食をして、Dr.ライトが肉を食べていたことに興味を持たれた方で、なぜDr.ライトが肉を食べるようになったのか教えてほしいとの問い合わせです。
結論から言えばこの件に関してはDr.ライトの奥様がかなり影響をしています。Dr.ライトは以前から摂取するたんぱく質は大概魚と決まっていましたが、最近肉をたべるようになった背景には体力があったようです。
朝は果実と野菜とハーブティーで、昼はほとんど食べることがなく、食べるとしてもリンゴやブドウ。夕食も玄米と魚を少しの生活スタイルを長年続けてきたようですが、Dr.ライトが注意していたのは添加物、それもMSG(味の素のような類)による頭痛や体調不良の直接的な影響があり、調味料を使用して味付けするような料理は避けてきたようです。それがいつのころからか肉を食べると頭が重くなり体調が悪くなることに結びついてしまったようです。奥様が1度化学調味料を一切使わずハーブや岩塩だけで味付けをして、パインアップルで前処理をしてやわらかくした肉を料理してだしたところ頭痛や体調が悪くなることがなく、魚だけを食べていたときよりもエネルギーの持続性が高いことがわかったということです。同じ動物性のタンパク源でも魚と牛や豚のそれとはアミノ酸組成も異なることもあるのでしょうね。もちろん奥様が購入してくる肉はオーガニック飼料で育てられたものが中心であることは言うまでもありませんが。

ま、私としては次回Dr.ライトに会うときに肉食のままでいるかが興味のあるところですが・・・
by nutmed | 2009-03-23 19:18