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第561回 不定愁訴とアレルギー 過敏性腸症候群(IBS)

先週末の土日は久々に連チャンで講演会でした。土曜日は大阪、日曜日は東京。両講演会ともにあるサプリメント販売会社の顧客向けのサプリメントについてのテーマで講演をしてきました。多くの方がどんなサプリメントがよくて、どんなサプリメントが悪いのか、サプリメントの選び方などについての話を聞けるものと期待してくるのですが、私がサプリメントについてはじめて講演をする対象者には、サプリメントの良し悪しや選び方についての話はほとんどしません。ですから聴衆している方の多くが最初は期待はずれなんでしょうが、会の半ばを過ぎるころにはほぼすべての聴衆している方が、サプリメントの選択方法やその良しあしよりももっと重要な栄養素の基本を、いかに自分が今まで認識していなかったかが理解でき、講演会が終わるころには皆さん満足した顔になっているのが私の楽しみでもあるんですが。

さて、今日は不定愁訴とアレルギーの最終回「過敏性腸症候群」(以下IBS)になります。
IBSは先進国に多い症状で、精神的なストレスと低たんぱく摂取がその原因とされているものです。「過敏性」という名前がついているように、腸が必要以上に過敏に反応して下痢と便秘を交互に繰替えすことが多く、その症状は比較的午前中に多いとされています。神経伝達ホルモンであるセロトニンの作用によって腸が過剰に動くためにおこるとされていることから、セロトニンを抑える薬や、漢方の「桂枝加芍薬湯」などがポピュラーに処方されます。これらの薬で症状は落ち着くことは落ち着きますが、結局は「対症療法」でしかなく、根本的な原因背景は依然として残ることになります。
男性よりも女性に比較的多くみられ、不定愁訴の中の上位にくる症状の1つでもあって、私がカウンセリングしている30-40歳代の女性に多いですね。
日本ではその原因を「精神的なストレス」「心身症」として片づけてしまうことがすくなくないですが、IBSの背景にも食物アレルギーが潜んでいることが少なくありません。2005年にイギリスのセントジョージ医科大学の研究者たちが発表した報告では、IBSの症状を持った18歳から75歳の131人に血液中の14種類の食物(トマト、小麦、カニ、タラ、全卵、トウモロコシ、マッシュルーム、牛乳、米、エビ、牛肉、鶏肉、大豆、ブドウ)に対するIgE抗体とIgG抗体を検査したところ、即時にアレルギー反応を起こす背景となるIgE抗体が陽性となった患者はほとんど見られなかったのに対して、遅延型アレルギー症状ほかの背景となるIgG抗体の中でカニ、全卵、エビ、大豆、小麦に陽性反応を示した患者が76%でありました。これらの患者に対して反応を示した食物を6ヶ月間避ける食事指導とともにビフィズス菌などの乳酸菌を4か月摂ってもらうことによって患者のIBS症状がなくなったという報告があります。
日本人の場合には欧米人と摂取する食物に若干の違いはあるものの、精神的なストレスの影響のほかに、それもかなりの確率で食物性の潜在的なアレルギーが関わっている可能性は高いと思います。
現在日本ではIgE抗体検査は頻繁に行われていますが、IgG抗体検査についてはまだまだ頻繁に行われていないのが現状です。以前にも話したように血液を使わずに体内が耐性を持ってしまっている食材や添加物を検査する方法は日本でも実施している施設はあります。以下はその検査の報告書の一例ですが、左には食材や添加物の名前があります。右側の数字が60以上になると体内が耐性を持っている可能性が非常に高い素材ということになります。
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by nutmed | 2009-04-20 11:05