第572回 新型インフルエンザに思うこと

週末の土曜日の朝、テレビから飛び込んできたニュースを見て聞いて、多くの日本人が驚きを隠せないかったのではないでしょうか。神戸の渡航経験のない高校生3人が遺伝子レベルで新型インフルエンザと確認されたという報道です。その後土曜日曜と大阪にも感染者が確認され、日曜日の深夜には90人をあっという間に超え、今日の午後には130人を超えました。
私自身はウィルスに詳しいわけではありませんが、多くの専門家が言っているように「国民は冷静になるべき」だとは思います。
どうもマスコミメディアは少し大袈裟に騒ぎすぎるような気さえしています。
今回の新型(豚)インフルエンザは通常のインフルエンザに比べても毒性が弱いということは以前から言われてきたことですし、仮に感染して発症しても、ケアさえしっかりしていれば死に至る可能性は極端に低いわけです。そもそも今回の新型(豚)インフルエンザよりも毒性が少し高い例年流行するインフルエンザについては、行政もマスコミメディアも我々国民も、その対応は特別なものではないのに、今回はどうしてこのようになるのでしょうか。 その背景の1つにはワクチンがないということが大きいのだろうと思います。それから、すぐそこまで来ている可能性のある「鳥インフルエンザ」の問題で、感染拡大することによって2つのインフルエンザが融合し全く別なウィルスが誕生してしまう可能性だと思っています。

ちょうど先週の木曜日、カナダのブリティッシュコロンビア州ダンカンに住む友人のドクターからメールがあって、彼は自分のクリニックの周辺住民に「新型(豚)インフルエンザはそれほど怖くはない。現在はワクチンはないが予防のためにビタミンD3やビタミンCを積極的にしばらく服用するように」と啓蒙しているそうです。加えて日常から自分の免疫の働きを高めておくようにタンパク質を多めに、水分を多めに摂る食生活を勧めたうえで、「もし近所に新型インフルエンザの感染者がでたら、自分はタミフルを飲む前に1週間くらい普通の生活を続けるように。その時には念のために体温やのどの異常には注意しておくように」と言っているようです。その真意を確かめると彼からの返信メールには意外であるけれども理にかなっている可能性のある返事が書かれていました。
「今回の新型(豚)インフルエンザは通常のインフルエンザに比べても毒性が弱く致死の可能性は極めて低い。今、タミフルを使うよりも自らこのインフルエンザの抗体を自分の体でつくることができるように、獲得免疫を考えるべきだと思う。」
つまり、感染者に近づいて自らが感染することによって自分の体で抗体をつくるという、乱暴にも思えるようなことではありますが、彼が言っていることは実はこの日本でも昔は行われてきたことでもあります。
妊娠中の女性が風疹ウィルスに感染することで流産などの危険が報告されていた当時、結婚を準備していた女性は、近所に風疹ウィルスに感染し発症した人の家に行き、自ら感染して抗体をつくるようなことをしていたという記録があります。
もちろん毒性が低く、自分の体で十分に抗体がつくることができるような免疫の働きがあり、ウィルス感染したことによって症状が重くなることがすでに公表されているような持病を持っていないということが前提にはなります。

この50年、人間はワクチンという予防のための武器を身に着けることが進みましたが、人間よりもはるかに早いスピードで、その性質、顔つき、強さを変化させているウィルスや細菌になすすべがなくなることがあることも事実であることを考えると、自らの体がウィルスや細菌に対する抵抗性、抗体をつくることができるために十分な体内環境、栄養の摂取、ストレス耐性を考え、ひいてはウィルスや細菌との共存共栄を考えないといけないという啓示のような気がしてならないのは・・私だけではないと思います。

「ワクチンがない!いつになったらできるんだ!」「感染者は厳重に隔離するべきだ!」と怒りを行政や組織に向ける前に、またテレビやメディアの感染者数の数字にあたふたする前に、落ち着き冷静になり、今は自分の体内環境を見つめ、免疫力を向上させることを最優先させるべきなのかもしれませんよ。
by nutmed | 2009-05-18 15:15