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第576回  エンテロラクトン その2

今日は早めの昼食を食べているときに、隣の席に座っていた歳のころは20代後半と思われる女性3人のうちの1人がおししそうにサンマの塩焼きを食べていたので、私も同じものを注文した・・まではよかったのですが、その中の1人女性が「サンマって今年豊漁なんでしょ」するともう1人の女性が「そうそう、豊漁らしいよ。これからおいしい季節だもんね・・」ときました。よせばいいのにとは思いましたがだまっていられない私は「もうしわけないけどサンマは秋が旬の魚ですよ・・」と一喝すると「そうなんですか?サンマって1年中食べることができるから1年中獲れるのかと思ってた・・」 決して彼女たちを責める道理はありませんが、これが今の日本の食の状況なのかと思うと少し残念な昼食になりました。

さて、今日はエンテロラクトンの2回目です。
多くのアメリカの栄養学者、医師が、日本人と中国人、台湾人に前立腺がんの発症率が低い背景には、欧米人に比べて野菜、穀類、果実を良く食べてきたことによるものではないかという見方が根強くあります。
もう少し詳細を見ていくと、特にリグナンが含まれている素材を豊富に食生活に取り込んでいるという見方が非常に強くあります。実際、前立腺がんの発症率を比べると日本人よりも平均で10倍は高いアメリカ人にしてみればまさに「オリエンタルマジック」として映ってきたのでしょう。そんな背景もあって、アメリカでは1996年からリグナンが豊富に含まれるフラックス(亜麻の実)サプリメントの売上が急激に伸び始め、現在でも着実にサプリメントマーケットの一角を築いています。
前立腺がんの予防や一部治療目的で使われているエンテロラクトンはこのリグナンを乳酸菌が分解してつくられた分解産物であることは前回お話しましたね。 前立腺がんと前立腺肥大に関するいくつかの研究によると、男性の加齢とともに女性ホルモンのエストロゲンのが増加することによって前立腺がんと前立腺肥大を作り出す可能性が強く示唆されています。
動物および人による研究では、エンテロラクトンにはこの加齢とともに増加するエストロゲンを抑制する作用があることがわかりました。
難しくなりますが、もう少し詳しく説明すると男性が作る女性ホルモンのエストロゲンは女性とは異なり、男性ホルモンのテストステロンが変化して作られます。またエストロゲンには大きく分けて3つの種類(エストロン:E1、エストラジオール:E2、エストリオール:E3)があります。
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エストロゲンの中でも活性の高いのがエストラジオール(E2)です。上の図を見てもらうとわかるようにエストラジオールだけは男性ホルモンのテストステロンが化学的に変化して作られますが、テストステロンがエストラジオールに変わるときにはアロマターゼという酵素が必要になります。
誤解のないように付け加えておきますと、女性の場合でも同様で、閉経後の女性ではこのエストラジオールがアロマターゼによってテストステロンから作られます。エンテロラクトンにはこのアロマターゼという酵素の働きを抑制してエストラジオールに変化し難くする働きを持っているわけです。
閉経後女性の乳がんの種類にはエストラジオールが増加することによって発症するものがあって、このアロマターゼの働きを阻害する薬(アナストロゾール,レトロゾール、キセメスタンなど)が治療に使われていますが、アメリカではこの高価な薬を高齢男性の男性機能回復、性欲増加、腹部の脂肪抑制の目的でも使われていますが、その背景にはアロマターゼの働きが抑制されエストラジオールに変わるテストステロンが増えるという理屈があります。
今日は少し余談と難しい話が多かったですね・・・
次回はもう少し・・難しくならぬように・・
by nutmed | 2009-05-22 13:02