2009年 06月 11日
第592回 コレステロールの真実 その2
今日の午前中は学生時代の友人の依頼で太田区の児童会館で乳幼児を持つ母親に乳幼児の栄養についての講演をしてきました。若いお母さんたちは真剣のメモをとりながら聴衆していてくれたので、あっという間の1時間30分でした。
さて、今日はコレステロールの真実の2回目(最終回)です。
ここで改めてコレステロールの働きについて見ていくことにしましょう。
1、コレステロールは体内で必要とされるときに合成される。
2、1日をとおして体内で必要とされるコレステロール量は異なる。
3、コレステロールの血中濃度は冬場(温度が低い時)に高く、夏場(温度が高い時)に低い。
4、コレステロールは怪我をしたり手術を受けた後の細胞や皮膚が損傷した場合に血中濃度は高くなる。
5、コレステロールはストレスが高くなると需要(合成)も高くなり血中濃度もあがる。
6、心筋梗塞のリスクが高い場合、また心筋梗塞が起きた直後はコレステロールは高くなる。
上記の6つのコレステロールの実情には共通するものがありますが、それは「治癒(Healing)」ということです。
コレステロールの中でも、ホルモンを合成し細胞の膜を作るために必要なLDLコレステロールには、体内で起きている細胞や筋肉の損傷、細菌やウィルスの侵入、有害な化学物質・重金属の侵入、細胞(膜)の酸化ダメージ、炎症を治癒する際に最初に動き出す物質でもあります。体内でこれらの状況が起きると血液を介してシグナル(信号)が送られ、肝臓からLDLコレステロールが損傷や異物の侵入が起きている場所に送られ、細胞の損傷を修復するプロセスに入ります。損傷が修復されると今度は肝臓からHDLコレステロールが送られ、LDLコレステロールを肝臓まで運び戻し、その後体外に排泄されます。
コレステロールが高くなるということは確かに心臓や脳、血管の働きにはマイナスの影響を与えることも事実ですが、コレステロールはホルモンの源でもあり、細胞の構成成分でもあり人間にとっては不可欠な脂質でもあるわけです。
検診や人間ドッグの血液検査でコレステロールが高いからと言っても、ただちに「高脂血症」や「メタボリック症候群」と判定され、薬の投薬ということにはいささか疑問もあります。


