第613回 歯の健康管理 最終回 口臭予防

昨日の夜は寝苦しい夜でしたね。TVのニュースやネットでも話題になっているので皆さんもご存じだとは思いますが、この7月22日に46年ぶりの皆既日食がありますね。残念ながら日本では硫黄島などの南の島でしか100%の皆既日食は拝めないそうですが、そのほかの地域でも70%くらいの部分日食を見ることができるようです。私も小学校の時に見た記憶がありますが、おそらく日本で見ることができる皆既日食は生きている間には望めそうもないので、早速「日食グラス」を購入して準備万端です。

さて、今日は歯の健康管理の最終回です。最終回は多くの方が気になる口臭についてです。
口臭の原因にはいくつかあります。最近報告例が多いのは「膿栓(のうせん)」と言って、口からのウィルスやバクテリアの侵入を阻止する働きをもった扁桃腺の表面にある小さな穴に、バクテリアの死骸やウィルス細胞の断片、食べたものの一部が詰まって炎症を起こして膿をともなう症状で、この膿が口臭の原因になります。
d0070361_13113038.jpg

膿栓は特別な症状ではなく、過剰なストレス、食事内容、体力が低下して慢性的に疲労感を感じるような場合、寝不足などによっても起きることが少なくありません。大抵は知らない間に膿栓がはがれ落ちて食べたものと一緒に胃に落ちていったり、咳をしたときにお米の粒のようなものが口から出ていくこともあります。
つばを飲み込むときに痛みや違和感を感じたり、食物がのどの手前あたりにつかえるような感じがあることが多いので、そんな状態が出たら鏡で喉のほうをのぞいてみて白い塊のようなものが付いているかを確認してみるといいでしょう。治療には抗生物質のうがい薬などが処方されますが、予防のためには先日紹介している植物性乳酸菌飲料やヨーグルトでこまめにうがいうをすること、またティツリーオイル(tea tree oil)を薄めたものでうがいをするのもお勧めです。

口臭の原因は歯に詰まった食物の食べカス、特に炭水化物の腐敗であることも少なくないでしょう。食べカス自体が腐敗することによる腐敗臭をともなうことはもちろんですが、そこが歯周病の原因となるバクテリアの温床になり、歯肉炎を伴い歯茎からの膿が口臭の原因になることがあります。
また、先日も紹介したように舌の上に苔のように繁殖するバクテリアによって口臭が発生します。
2003年にこの口臭の原因となるバクテリアの除菌をするバクテリオシンに似た物質が発見されたことが報告されています。このバクテリアはStreptococcus Salivariusと言うバクテリア(連鎖球菌)で、生後間もない新生児のときから乳幼児にかけての口の中に常在しているバクテリアでもあります。このバクテリアが作り出すバクテリオシンに似たたんぱく質(S.Salivarius K12)が口臭の原因となるバクテリアの除菌をするというものです。まさにバクテリア補充療法の典型でしょうね。
この物質はすでにニュージーランドやアメリカでは食品として承認されていて、歯科だけでなく一般にも口臭予防のサプリメントとして販売されています。日本の歯科医の中にもこの物質の紹介をしている先生が増えているようです。

さて、今週1週間は歯の健康管理というテーマで綴ってきましたが、一般的な歯の健康管理という観点からは少し視点がづれていたかもしれませんね。初回にお話したように、歯は人間の体をつくるために必要不可欠な栄養素を取り入れる最初の入り口で重要な役割を担っています。その歯の健康管理を従来からのブラッシングやマウスウォッシュということだけでなく、日常の食生活の中で歯の健康管理を考えた食事行動を行うことが、最適な健康を手に入れるための1つであることを理解していただければと思います。
by nutmed | 2009-07-10 14:26