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第615回 妊婦に対する葉酸接取の有効性

今日7月14日は「巴里祭」です。以前は巴里祭と言えば日本でも朝からラジオから聞こえてくるのはエディットピアフや越路吹雪のシャンソンで、銀座通りや表参道も巴里祭の装飾が華やかだったような気がしますね。

さて、今日はアメリカから届いた妊婦と葉酸に関するトピックスを1つ紹介します。
ここ数年、日本でもマタニティ雑誌や女性誌で「妊娠中に葉酸を積極的に摂取することで胎児の神経管欠損予防が可能になる」ことが盛んに紹介されているので、多くの女性が妊娠が確認されると葉酸というキーワードがあふれ出してきます。 アメリカではもともと連邦政府機関の米国予防サービスタスクフォース(The US Preventive Services Task Force (USPSTF)が1996年に発表した「妊娠期間中に1日あたり400-800マイクログラムの葉酸を摂取した妊婦では神経管欠損(NTD)の危険が低くなる」という報告が国内だけでなく世界中を駆け巡り、その後日本でも話題として取り上げられた内容でした。この報告が発表される調度1年前の1995年に私が妊婦の神経管欠損(NTD)を血液検査で確認する手法についての研究(A Retrospective Evaluation of Maternal Serum Screening for the Detection of Fetal Aneuploidy:Prenatal Diagnosis Volume 17 Issue 9, Pages 861 - 866: Dec 1998)を名古屋市立大学と慶応大学の産科のドクターと進めているときにはすでにアメリカでも妊婦さんが葉酸を摂取することでNTDの危険率が低くなることが話題になっていました。
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これまで、妊婦が妊娠期間中に400マイクログラム以上の葉酸を恒常的に摂取することによって、同じビタミンB群のビタミンB12が不足しているかどうかの確認ができなくなる可能性があることがいくつかの研究で報告されていました。産科ドクターの中にはそれまで葉酸の恒常的な摂取について懐疑的な見方をするドクターがいたり、葉酸の処方中には血液中のビタミンB12や爪や毛髪で体内ミネラルのコバルトを定期的に確認しながら葉酸を処方するドクターもいるほどです。
この5月に米国予防サービスタスクフォースが、過去8年間におよぶ葉酸を恒常的に摂取した妊婦の調査を行った結果を公表しましたが、その内容によると「妊娠期間中に1日あたり400-800マイクログラムの葉酸を摂取した妊婦では神経管欠損(NTD)の危険が低くなることは明らかであること。また1部で報告されているようなビタミンB12へ影響はない」と報告しました。

同局では「今まで以上に妊婦は神経管欠損の予防のために妊娠期間中に1日あたり400-800マイクログラムの葉酸を摂取することを勧める」としています。

最近の日本の妊婦さんは葉酸をサプリメントでしっかり補給しているようですが、ぜひ食材からの葉酸摂取も考えてもらうといいですね。葉酸はブロッコリ、バナナ、ホウレンソウ、カブ、キャベツ、アスパラガスに豊富に含まれていますが、私がお勧めの葉酸の素材は、このところ何かにつけて登場する「ひまわりの種」です。
リノレン酸の宝庫でもあるひまわりの種100g中には葉酸が約300マイクログラム含まれているだけでなく、もちろん妊娠期間中の精神的な安定を促すトリプトファン、それに必須脂肪酸のオメガ-3脂肪酸が約70mgも含まれています。
また、葉酸(サプリメントも)の摂取のときに注意したいのが調理の熱ですね。葉酸は意外に高熱で壊れやすいので注意してください。妊婦さんで飲酒をする方はいないと思いますがアルコールは葉酸の吸収を阻害しますのでこちらも要注意です。
by nutmed | 2009-07-14 16:41