第617回 必須脂肪酸について その2

今週末からいよいよ各地の花火大会が本格的にスタートします。今年は不況の影響もあって中止を余儀なくされたり、縮小開催される大会も多い中、例年とおり開催される大会もありますので、暑気払いと落ち込んだ景気払いにお近くの花火大会に足を運んではいかがですか。ちなみに関東では今週末の土曜日、調布市花火大会、埼玉の川越小江戸花火大会、群馬たまむら花火大会が開催されます。


さて、今日は必須脂肪酸の2回目です。
前回のブログに掲載した必須脂肪酸の代謝経路の図を見ていただくとわかるように、経路の下のほうにやってくると炎症にかかわる物質で「プロスタグランジン」と「トロンボキサン」という物質がでてきます。
このプロスタグランジン(PG)にはいくつかの種類があり、炎症を抑えてくれる働きをもったPGと逆に炎症を引き起こす働きを持ったPGがあります。PG1とPG3は炎症を抑える作用をもつ、いわば優等生的なプロスタグランジン(抗炎症性PG)で、PG2は炎症を引き起こす作用をもつ、ちょっと厄介なプロスタグランジン(炎症性PG)です。
リノール酸からPG1に変化する過程で重要な脂肪酸がγ(ガンマ)-リノレン酸(GLA)です。このGLAがなければPG1には行きつくことができませんが、不幸にもこのGLAは二重人格な性格を持っていて、炎症の引きがねにもなり、炎症を引き起こす作用をもつPG2に変化するアラキドン酸という物質にも変化することがあります。日本でもこのγ(ガンマ)-リノレン酸(GLA)を摂取すると炎症を抑える作用が期待できるともてはやされて月見草オイルやボラージオイルのサプリメントが人気を呼んでいますし、某洋酒メーカーがゴマのサプリメントに続いてアラキドン酸のサプリメントを大々的に販売開始しましたね。
これは東北大学の研究グループが「アラキドン酸」には神経細胞の増殖と活性を促す働きがあることを突き止めたという研究報告によって、アラキドン酸が中高齢者の脳の活性を高めてくれる可能性に期待が高まったことによるものだと思います。
ただ、アラキドン酸には炎症を引き起こしてしまうPGを生産してしまう一面もあることから、使い方を間違えないようにすることが大切だと思います。
米国で栄養療法によってアレルギーやリュウマチなどの炎症が問題となるような病気を治療にあたっている医師や、サプリメントを販売する会社の多くは、炎症を抑える作用の強いPG1を作り出すためにγ(ガンマ)-リノレン酸(GLA)を頻繁に使うことは事実ですし、日本でもGLAを重宝がって使用している医師が最近増えているようです。しかし、GLAが我々人間にとって幸いなのは、GLAがもつ明るい性格のほうで、炎症の引きがねになるアラキドン酸にいつ豹変してしまうかもわからない陰湿な性格は出ないでほしいものです。GLAの性格の豹変をコントロールする鍵になると思われているのが、やはり食事の内容です。
肉食が多いとGLAは豹変する
牛肉、豚肉、それに乳製品が多い食事を長く続けていると、普段は明るい性格で炎症を抑えるありがたい性格のGLAも、突然炎症の引きがねとなるアラキドン酸に豹変することが米国の研究によってわかってきました。また、GLAを長い間摂取し続けることによってもアラキドン酸への豹変を招くと言う研究報告もあります。
GLAの明るい性格を維持させるためには、焼肉やチーズハンバーガーはほどほどにすることが重要だということでしょうか。
by nutmed | 2009-07-16 11:11