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第618回 必須脂肪酸 最終回

今朝から京都の祇園祭りのクライマックスといってもいい山鉾巡航が今朝から都大路ではじまりました。
京都に仕事で行くことが年に数回あり、いつもこの時期にあわせて行こう行こうと思って早10年。一度は山鉾巡航見てみたいものです。
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さて、今日は必須脂肪酸の最終回です。
炎症を抑える働きをもったプロスタグランジン(PG)の1つであるPG3はオメガ-6系ではなく、オメガ-3系の必須脂肪酸の代謝によって生産される物質です。α-リノレン酸を経て、かつて頭がよくなるともてはやされたEPA(エイコサペンタエン酸)から変化します。α-リノレン酸は亜麻の実から絞り出したフラックスオイルの中に非常に沢山含まれています。
EPAはα-リノレン酸から変化したものですが、EPA自身はイワシ、サケ、サバや冷たい水に生息するタラのような魚に豊富に含まれてます。
私の師匠のDr.ジョナサン・ライトは、ニキビ、アトピー性皮膚炎、アレルギー症状、慢性じんましんなど、皮膚の炎症にかかわるような症状を持った患者には100%と言ってもいいほど、オメガ-3の代表格「フラックスオイル」を処方していますが、どういうわけか日本人の、特に若い人たちにはフラックスオイルの効果が低いことを感じたことがありました。その原因は体内でγ-リノール酸とα-リノレン酸を代謝するときに必要な2つの酵素(δ-6-脱飽和酵素とδ-5-脱飽和酵素)の合成に必要なビタミンB6、マグネシウム、亜鉛、ビタミンC、ナイアシンがこの年代の人では不足傾向があるからだろうと推測をしていました。後日、Dr.ジョナサン・ライトやドイツの栄養療法医の友人に相談確認したところ、彼らもやはり同じコメントをくれたことがあります。

フラックスオイルが有効でない人たちに、これら2つの酵素が不足していても、炎症を改善するために重要なEPAやDHAをタラの肝油で直接的に摂取してもらうと、かなり早い段階で改善がみられることが少なくありません。もちろん根本的な解決に近づくためには、体内で必須脂肪酸の代謝に重要な役割を担っている2つの酵素の原料ともなるビタミンB6、マグネシウム、亜鉛、ビタミンC、ナイアシンが不足しているのであれば補充をさせてあげることも大切です。

同じ不飽和脂肪酸でもオメガ-6は諸刃の剣を持つ素質があります。また、オメガ-3には、オメガ-6ファミリーが持つ諸刃の剣の素質を抑えてくれる作用もありますので、オメガ-6とオメガ-3を3:7ほどのの比率で摂取することが望ましいと考えますが、フラックスオイルは正にこの比率でオメガ-6とオメガ-3を含むベストなサプリメントだと言えますが、代謝にかかわる2つの酵素の働きも考えることも大切ですね。

魚油に含まれるDHA/EPAが再び注目されていますが、人間がリノール酸、α-リノレン酸を作り出せないのと同じように、魚も体外から摂取したエサからしかEPA(エイコサペンタエン酸)は作り出せません。EPAはある種の藻やプランクトンから作られていることはあまり知られていません。以前に東海大学海洋学部の研究チームがプランクトンや藻を食べたことのない養殖で育てられた魚にはEPAがほとんど含まれていないと言うことを報告しています。

日本でもニキビ、アトピー性皮膚炎、アレルギー症状、慢性じんましんのほか、リウマチなど、皮膚の炎症にかかわるような症状を持った患者に対してタラの肝油などの必須脂肪酸を日常的に使ってくれるドクターが増えており、ステロイドなどの抗炎症薬を敬遠する患者などに対して効果をあげているようです。

タラの肝油やフラックスオイルを臨床で使っているクリニック
岡田クリニック(吉祥寺)
青山外苑前クリニック
神尾記念病院
新垣形成外科
ノムラメディカルクリニック(横浜鶴見)
国分寺鈴木医院
by nutmed | 2009-07-17 13:31