この1年ほどの間、私が栄養カウンセリングを行っている神尾記念病院と青山外苑前クリニックで対応しているクライアントの中に、ビタミンb12の不足の背景を伴った症状を持っている女性が増えていることに気がつきました。
そのいくつかの背景にあると考えられるのは、ビタミンB12が含まれた動物性たんぱく質の摂取量が少ない、またはその動物性タンパク質からビタミンB12を取り出すために重要な役割を持った胃酸が十分出ていないこと。もう1つは腸内バクテリアの環境が著しく悪いことが考えられます。
事実、ビタミンb12が不足していると考えられる女性の90%が便秘を伴う腸の働きが良くないことがわかります。
実際、これらの女性の症状の改善プロセスの中で、ビタミンB12の筋肉注射を医師にオーダーしてもらい、定期的にビタミンB12を摂ってもらうと、劇的な変化で改善を見る女性から、自覚が少ない女性まで、改善レベルの大小はありますが、明らかにビタミンB12が関与する細胞組織の働きに変化が見られる女性ばかりです。
中には、貧血様の症状を持つ女性が、血液検査でフェリチンが低いということだけで、鉄のサプリメントを毎日ゴッソリ飲むように処方され3カ月を経過しても症状は改善しなかった女性が、ビタミンb12の不足の可能性が考えられて、ビタミンB12を数週間筋肉注射で摂取してもらうことで、貧血様の症状や疲労感は消えたこともありました。
ビタミンB12というビタミンは脚光を浴びて、表部隊に出てくることがほとんどないビタミンでもありますが、大変重要な役割を持ったビタミンです。ビタミンB12の詳細は過去のブログを参考にしてください。

今日は自分でビタミンB12野不測の兆候をチェックする設問を紹介しますので、皆さんもぜひ定期的に自己チェックをして、ビタミンB12の慢性的な不足に陥らないように注意して見てください。

ビタミンB12不足の自己確認チェック(無断使用、転載厳禁)

以下の6つのグループ内にある設問に該当するものに○をしてください。
各グループ内のポイントを合計し、最後に6つのグループのスコアの総合計ポイントを算出してください。なお、1から4のグループでは、以下に該当するものが1つだった場合には2ポイント、2つ以上だった場合には、2つ目以降の該当する設問を1ポイントとして、最初の2ポイントと合算してください。
(例:4つに該当する場合は2+1+1+1=5ポイント)
  5と6については該当する設問全て1ポイントとして合算してください。
1、神経リスク要因
①この数カ月以内に、手・足・腕のどこかに針で刺されたようなチクチクする痛みやしびれを感じたことがある
②この数年以内に糖尿病と診断された
③手・足・腕の筋力が低下したと感じる
④この数カ月以内に、軽い頭痛やめまいを感じたことがある
⑤この数カ月以内に、意識が低下したことがある
⑥この数カ月以内に、歩き方がぎこちなくなったり、歩き方が少しおかしいと他人から指摘されたことがある
⑦この数カ月、記憶力が低下したと感じる。特に、加減乗除の計算がすぐにできなくなったり、人名や地名がすぐに出てこなくなったりする
⑧この数カ月、感触や痛みを感じにくくなった
⑨この数カ月、足や手に原因不明のけいれんがおきるようになった
⑩この数カ月、温度に関係なく全身に震えを感じるようになった
⑪この数カ月以内に失禁したことがある
ポイント小計  ポイント
2、精神リスク要因
①周囲の人から「最近人が変わった・・」「最近怒りっぽくなった・・」など喜怒哀楽や情緒に変化があることを指摘されることが増えた
②この数カ月以内に、うつ病と診断された
③最近ものごとに無関心になることが多い
④この数カ月、幻覚を見たりや妄想にふけることがある
⑤この数カ月、暴力的な行為を起こしたことがある
ポイント小計  ポイント
3、血液の機能リスク要因
①この数カ月以内に、鉄欠乏性の貧血と診断されたことがある
②この数カ月以内に、血液検査を受けてヘモグロビン、血小板、白血球が少ないと言われたことがある
③この数カ月以内に、血液検査を受けて赤血球が異常に大きいと言われたことがある
ポイント小計  ポイント
4、消化器系リスク要因
①この数カ月以内に、委縮性胃炎、胃粘膜が炎症を起こしているなどと言われたことがある
②この数カ月以内に、胃酸の分泌量が少ないと言われたことがある
③この数カ月以内に、胃潰瘍または胃潰瘍の痕跡があると言われたことがある
④この数カ月以内に、逆流性食道炎と診断された
⑤この数カ月以内に、胃憩室炎と診断された
⑥この数カ月以内に、胃がんと診断された
⑦この数カ月以内に、胃、十二指腸の摘出手術をした
⑧この数カ月以内に、過敏性腸炎、潰瘍性腸炎、クローン病と診断された
⑨以前から小麦を使った食材を食べると胃がもたれたり、ガスが貯まりやす
⑩家族の中に悪性貧血の人がいる
⑪過去にカンジダ菌症と診断されたことがある
ポイント小計  ポイント
5、その他のリスク要因
①年齢は60歳以上である
②甲状腺の病気または自己免疫疾患(リウマチ、1型糖尿病、橋本病、SLE、アジソン病、シェーグレンなど)を患っている
③がんを患っていて放射線治療、化学療法を行っている
④数か月以内に、笑気ガスを使った外科治療を行った
⑤菜食主義、またはベーガン食を実践している
⑥1週間に5日以上、コップ1杯以上の飲酒をする
⑦過去数か月、以下の薬を服用している
プロトンポンプ阻害剤、メトホルミン(糖尿病薬)、低用量ピル、結核治療薬、胃酸を中和する薬
ポイント小計  ポイント
6、症状のリスク要因
①過去数か月、慢性的な疲労、気力の低下が続いている
②過去数か月、筋力の低下、やる気のなさを感じる
③過去数か月、食欲が低下し、体重が減少している(明確な原因不明の)
④数か月以内に、白斑症と診断された
⑤過去数か月、胸に痛みを感じたり、わずかな運動で呼吸が乱れる
⑥過去数か月、舌の上が鮮明な赤いになることや、舌の上に口内炎のような炎症がおきる
⑦過去数か月、耳鳴りがする
⑧過去数年間、不妊治療をしている
ポイント小計  ポイント

総合計ポイント  ポイント


ビタミンB12不足のリスク判定
・総合計ポイントが3ポイント以下の場合
ビタミンB12の不足リスクは低いと言えます

・総合計ポイントが4-7ポイント以下の場合
ビタミンB12の不足リスクは中レベルですが、ビタミンB12が含まれる動物性たんぱく質(アレルギー反応のないもの)を積極的に食べるとともに、胃酸を十分に分泌するように食材を噛んで、時間をかけて食事をしましょう。小麦製品は頻繁に継続して食べないようにするといいでしょう。

・総合計ポイントが8ポイント以上の場合
ビタミンB12の不足リスクは高いと言えます。なるべく早い段階に医療施設でビタミンB12の過不足を正確に判定してもらうべきです。そのうえで、現在のビタミンB12の不足の原因背景を明確にするとともに、ビタミンB12を適切な方法で補うことをお勧めします。
なお、原因となっている背景の改善にも着手するべきです。

by nutmed | 2013-06-27 14:05