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3連休は久々にゆっくりできたので、初日の土曜日には茅ヶ崎にある友人の家にお邪魔してきました。茅ヶ崎駅から少し距離はありますが、海岸まで歩いていける距離でして、友人はリタイヤをして、この9月からここでcafeをオープンすることになっています。いずれ、このcafeで私もミニ講演会をやらせてもらうことになっています。
その友人がうまいパンとピザを食べさせる店があるということで連れて行ってくれた店が茅ヶ崎駅前にある「MOKICHI」というトラットリア(カフェイタリアン)でした。
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なんでも本店は相模線の香川駅そばで古くから酒を造っている「田澤酒造」という地酒の造り酒屋です。いまでは「湘南ビール」という地ビールも造っているそうで、なかなかファンが多いとか。
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客層を見ても地元の中高年のご夫婦が多い中、若い夫婦やカップルも多い落ち着いて食事を堪能できるレストランです。
パンは醸造で使っている酵母で発酵させたパンもあって、何もつけずに美味しくいただけますが、オリーブオイルをつけて食すとこれがまたおいしい。ピザは自家製の石造りのかまで焼かれたいて耳までしっとりとやわらかくいただけます。オリーブオイルをふんだんに使っているようで、香りもいいでした。

これから海のシーズンで湘南方面も混雑の季節。茅ヶ崎方面へおでかけの際には都会とは少し違った趣のイタリアンを賞味してはいかがでしょうか。
by nutmed | 2009-07-20 17:19

今朝から京都の祇園祭りのクライマックスといってもいい山鉾巡航が今朝から都大路ではじまりました。
京都に仕事で行くことが年に数回あり、いつもこの時期にあわせて行こう行こうと思って早10年。一度は山鉾巡航見てみたいものです。
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さて、今日は必須脂肪酸の最終回です。
炎症を抑える働きをもったプロスタグランジン(PG)の1つであるPG3はオメガ-6系ではなく、オメガ-3系の必須脂肪酸の代謝によって生産される物質です。α-リノレン酸を経て、かつて頭がよくなるともてはやされたEPA(エイコサペンタエン酸)から変化します。α-リノレン酸は亜麻の実から絞り出したフラックスオイルの中に非常に沢山含まれています。
EPAはα-リノレン酸から変化したものですが、EPA自身はイワシ、サケ、サバや冷たい水に生息するタラのような魚に豊富に含まれてます。
私の師匠のDr.ジョナサン・ライトは、ニキビ、アトピー性皮膚炎、アレルギー症状、慢性じんましんなど、皮膚の炎症にかかわるような症状を持った患者には100%と言ってもいいほど、オメガ-3の代表格「フラックスオイル」を処方していますが、どういうわけか日本人の、特に若い人たちにはフラックスオイルの効果が低いことを感じたことがありました。その原因は体内でγ-リノール酸とα-リノレン酸を代謝するときに必要な2つの酵素(δ-6-脱飽和酵素とδ-5-脱飽和酵素)の合成に必要なビタミンB6、マグネシウム、亜鉛、ビタミンC、ナイアシンがこの年代の人では不足傾向があるからだろうと推測をしていました。後日、Dr.ジョナサン・ライトやドイツの栄養療法医の友人に相談確認したところ、彼らもやはり同じコメントをくれたことがあります。

フラックスオイルが有効でない人たちに、これら2つの酵素が不足していても、炎症を改善するために重要なEPAやDHAをタラの肝油で直接的に摂取してもらうと、かなり早い段階で改善がみられることが少なくありません。もちろん根本的な解決に近づくためには、体内で必須脂肪酸の代謝に重要な役割を担っている2つの酵素の原料ともなるビタミンB6、マグネシウム、亜鉛、ビタミンC、ナイアシンが不足しているのであれば補充をさせてあげることも大切です。

同じ不飽和脂肪酸でもオメガ-6は諸刃の剣を持つ素質があります。また、オメガ-3には、オメガ-6ファミリーが持つ諸刃の剣の素質を抑えてくれる作用もありますので、オメガ-6とオメガ-3を3:7ほどのの比率で摂取することが望ましいと考えますが、フラックスオイルは正にこの比率でオメガ-6とオメガ-3を含むベストなサプリメントだと言えますが、代謝にかかわる2つの酵素の働きも考えることも大切ですね。

魚油に含まれるDHA/EPAが再び注目されていますが、人間がリノール酸、α-リノレン酸を作り出せないのと同じように、魚も体外から摂取したエサからしかEPA(エイコサペンタエン酸)は作り出せません。EPAはある種の藻やプランクトンから作られていることはあまり知られていません。以前に東海大学海洋学部の研究チームがプランクトンや藻を食べたことのない養殖で育てられた魚にはEPAがほとんど含まれていないと言うことを報告しています。

日本でもニキビ、アトピー性皮膚炎、アレルギー症状、慢性じんましんのほか、リウマチなど、皮膚の炎症にかかわるような症状を持った患者に対してタラの肝油などの必須脂肪酸を日常的に使ってくれるドクターが増えており、ステロイドなどの抗炎症薬を敬遠する患者などに対して効果をあげているようです。

タラの肝油やフラックスオイルを臨床で使っているクリニック
岡田クリニック(吉祥寺)
青山外苑前クリニック
神尾記念病院
新垣形成外科
ノムラメディカルクリニック(横浜鶴見)
国分寺鈴木医院
by nutmed | 2009-07-17 13:31

今週末からいよいよ各地の花火大会が本格的にスタートします。今年は不況の影響もあって中止を余儀なくされたり、縮小開催される大会も多い中、例年とおり開催される大会もありますので、暑気払いと落ち込んだ景気払いにお近くの花火大会に足を運んではいかがですか。ちなみに関東では今週末の土曜日、調布市花火大会、埼玉の川越小江戸花火大会、群馬たまむら花火大会が開催されます。


さて、今日は必須脂肪酸の2回目です。
前回のブログに掲載した必須脂肪酸の代謝経路の図を見ていただくとわかるように、経路の下のほうにやってくると炎症にかかわる物質で「プロスタグランジン」と「トロンボキサン」という物質がでてきます。
このプロスタグランジン(PG)にはいくつかの種類があり、炎症を抑えてくれる働きをもったPGと逆に炎症を引き起こす働きを持ったPGがあります。PG1とPG3は炎症を抑える作用をもつ、いわば優等生的なプロスタグランジン(抗炎症性PG)で、PG2は炎症を引き起こす作用をもつ、ちょっと厄介なプロスタグランジン(炎症性PG)です。
リノール酸からPG1に変化する過程で重要な脂肪酸がγ(ガンマ)-リノレン酸(GLA)です。このGLAがなければPG1には行きつくことができませんが、不幸にもこのGLAは二重人格な性格を持っていて、炎症の引きがねにもなり、炎症を引き起こす作用をもつPG2に変化するアラキドン酸という物質にも変化することがあります。日本でもこのγ(ガンマ)-リノレン酸(GLA)を摂取すると炎症を抑える作用が期待できるともてはやされて月見草オイルやボラージオイルのサプリメントが人気を呼んでいますし、某洋酒メーカーがゴマのサプリメントに続いてアラキドン酸のサプリメントを大々的に販売開始しましたね。
これは東北大学の研究グループが「アラキドン酸」には神経細胞の増殖と活性を促す働きがあることを突き止めたという研究報告によって、アラキドン酸が中高齢者の脳の活性を高めてくれる可能性に期待が高まったことによるものだと思います。
ただ、アラキドン酸には炎症を引き起こしてしまうPGを生産してしまう一面もあることから、使い方を間違えないようにすることが大切だと思います。
米国で栄養療法によってアレルギーやリュウマチなどの炎症が問題となるような病気を治療にあたっている医師や、サプリメントを販売する会社の多くは、炎症を抑える作用の強いPG1を作り出すためにγ(ガンマ)-リノレン酸(GLA)を頻繁に使うことは事実ですし、日本でもGLAを重宝がって使用している医師が最近増えているようです。しかし、GLAが我々人間にとって幸いなのは、GLAがもつ明るい性格のほうで、炎症の引きがねになるアラキドン酸にいつ豹変してしまうかもわからない陰湿な性格は出ないでほしいものです。GLAの性格の豹変をコントロールする鍵になると思われているのが、やはり食事の内容です。
肉食が多いとGLAは豹変する
牛肉、豚肉、それに乳製品が多い食事を長く続けていると、普段は明るい性格で炎症を抑えるありがたい性格のGLAも、突然炎症の引きがねとなるアラキドン酸に豹変することが米国の研究によってわかってきました。また、GLAを長い間摂取し続けることによってもアラキドン酸への豹変を招くと言う研究報告もあります。
GLAの明るい性格を維持させるためには、焼肉やチーズハンバーガーはほどほどにすることが重要だということでしょうか。
by nutmed | 2009-07-16 11:11

昨日気象庁は関東地方の梅雨明けを宣言しました。やっぱり今年も「何となく梅雨が明けたようだ・・」という曖昧な梅雨明け宣言となりましたね。

さて、今日から数回にわたって必須脂肪酸(EFA: Essential Fatty Acid)についてテーマとしてみたいと思います。必須脂肪酸については日本ではこの5年ほどの間に急激に話題になったような気がしていますが、その背景にはメタボリックシンドロームの影響が少なからずあるのではないかと想像します。

脂肪酸の中には人間が体内で合成できるものもありますが、人間は全ての脂肪酸を作ることができるわけではありません。その代表格がリノール酸、α-リノレン酸で、これらは人間が生きていくためになくてはならない脂肪酸で、食物として体外から摂取する必要があります。このような脂肪酸を「必須脂肪酸」といいます。
必須脂肪酸には、大きく分けて2つのファミリーがあり、オメガ-6ファミリーとオメガ-3ファミリーです。
ファミリーが分かれる経路
我々人間が摂取した必須脂肪酸は、リノール酸、α-リノレン酸から酵素の力をかり、複雑な変化の過程を経て諸刃の剣と同様の性質を持つプロスタグランジンへと転換していきます。この転換の過程は冒頭の図を参考にしてください。
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オメガ-6ファミリーとオメガ-3ファミリー
オメガ-6ファミリーの代表格がリノール酸、オメガ-3ファミリーの代表格がα-リノレン酸で、いわばファミリーの長です。このリノール酸、α-リノレン酸こそが、我々人間の体が作ることのできない真の「必須脂肪酸」です。リノール酸はヒマワリ、サフラワー、ゴマ、ピーナッツ、トウモロコシの油に多く含まれる脂肪酸です。一方、α-リノレン酸はフラックス(亜麻の実)油に多く含まれる他、カボチャの種油、クルミ油、大豆油、ケ―ルなどに多少含まれています。
by nutmed | 2009-07-15 10:31

今日7月14日は「巴里祭」です。以前は巴里祭と言えば日本でも朝からラジオから聞こえてくるのはエディットピアフや越路吹雪のシャンソンで、銀座通りや表参道も巴里祭の装飾が華やかだったような気がしますね。

さて、今日はアメリカから届いた妊婦と葉酸に関するトピックスを1つ紹介します。
ここ数年、日本でもマタニティ雑誌や女性誌で「妊娠中に葉酸を積極的に摂取することで胎児の神経管欠損予防が可能になる」ことが盛んに紹介されているので、多くの女性が妊娠が確認されると葉酸というキーワードがあふれ出してきます。 アメリカではもともと連邦政府機関の米国予防サービスタスクフォース(The US Preventive Services Task Force (USPSTF)が1996年に発表した「妊娠期間中に1日あたり400-800マイクログラムの葉酸を摂取した妊婦では神経管欠損(NTD)の危険が低くなる」という報告が国内だけでなく世界中を駆け巡り、その後日本でも話題として取り上げられた内容でした。この報告が発表される調度1年前の1995年に私が妊婦の神経管欠損(NTD)を血液検査で確認する手法についての研究(A Retrospective Evaluation of Maternal Serum Screening for the Detection of Fetal Aneuploidy:Prenatal Diagnosis Volume 17 Issue 9, Pages 861 - 866: Dec 1998)を名古屋市立大学と慶応大学の産科のドクターと進めているときにはすでにアメリカでも妊婦さんが葉酸を摂取することでNTDの危険率が低くなることが話題になっていました。
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これまで、妊婦が妊娠期間中に400マイクログラム以上の葉酸を恒常的に摂取することによって、同じビタミンB群のビタミンB12が不足しているかどうかの確認ができなくなる可能性があることがいくつかの研究で報告されていました。産科ドクターの中にはそれまで葉酸の恒常的な摂取について懐疑的な見方をするドクターがいたり、葉酸の処方中には血液中のビタミンB12や爪や毛髪で体内ミネラルのコバルトを定期的に確認しながら葉酸を処方するドクターもいるほどです。
この5月に米国予防サービスタスクフォースが、過去8年間におよぶ葉酸を恒常的に摂取した妊婦の調査を行った結果を公表しましたが、その内容によると「妊娠期間中に1日あたり400-800マイクログラムの葉酸を摂取した妊婦では神経管欠損(NTD)の危険が低くなることは明らかであること。また1部で報告されているようなビタミンB12へ影響はない」と報告しました。

同局では「今まで以上に妊婦は神経管欠損の予防のために妊娠期間中に1日あたり400-800マイクログラムの葉酸を摂取することを勧める」としています。

最近の日本の妊婦さんは葉酸をサプリメントでしっかり補給しているようですが、ぜひ食材からの葉酸摂取も考えてもらうといいですね。葉酸はブロッコリ、バナナ、ホウレンソウ、カブ、キャベツ、アスパラガスに豊富に含まれていますが、私がお勧めの葉酸の素材は、このところ何かにつけて登場する「ひまわりの種」です。
リノレン酸の宝庫でもあるひまわりの種100g中には葉酸が約300マイクログラム含まれているだけでなく、もちろん妊娠期間中の精神的な安定を促すトリプトファン、それに必須脂肪酸のオメガ-3脂肪酸が約70mgも含まれています。
また、葉酸(サプリメントも)の摂取のときに注意したいのが調理の熱ですね。葉酸は意外に高熱で壊れやすいので注意してください。妊婦さんで飲酒をする方はいないと思いますがアルコールは葉酸の吸収を阻害しますのでこちらも要注意です。
by nutmed | 2009-07-14 16:41

先週末に九州地方が梅雨明けをしましたね。今週は一部を除いて全国的に梅雨の晴れ間が続きそうですが、ひょっとするとこのまま梅雨明け宣言になる可能性もあり・・でしょうか。それでも昨年同様、8月になればゲリラ雷雨で悩まされることになるのでしょうね。

この10月にアメリカへ出張を計画していた懇意にしているサプリメント販売会社の社長から、先週末にこの10月の出張は中止にしたという連絡がありました。その理由というのは、アメリカでは今新型(豚)インフルエンザが想像していたよりも猛威をふるっているようで、亡くなっている方も少なくないということでした。日本では一時に比べ新型インフルエンザの話題は鳴りをひそめていますが、オーストラリア、イギリス、カナダ、アメリカでは依然として感染が拡大しており、先日も日本で少し報道されていましたがタミフルに耐性を持ったウィルスが出現していることもあり、これから台風シーズン、夏休みの行楽シーズンで空気と人の行き来が激しくなる季節に向け、この秋から冬の乾燥したウィルスが好む環境シーズンを前に一段と心配不安が高まるところです。
実は日本でも、この4月以降、インフルエンザ感染によって学級閉鎖をしている自治体の学校は多いようです。

予防策はネットだけでなく、各自治体が発信配布している情報に掲載されてはいますが、メディア、ニュースなどで以前ほどには報道されなくなったために、対岸の火事としてとらえられている様子すらあります。
欧米では、昨年のメキシコに端を発した今回の新型インフルエンザの世界的な感染拡大は「序章」にすぎず、従来から人から人への感染拡大が懸念されていた新型(トリ)インフルエンザとの融合や、タミフルやワクチンの効果が期待できない新種の発生とその感染拡大に対する不安は一向に消えていないといいます。

従来から発信配布されている感染予防策に加え、今から新型インフルエンザ感染に対する予防策を真剣に考えていただきたいものです。
1、肝臓、副腎の働きを向上させる
これからの季節、エアコンや冷たいものの飲食など、体力を消耗させる環境が増えますが、これらの環境は想像以上に肝臓と副腎にストレスとして大きな負担を与えます。また、食欲が低下することであっさりとした炭水化物食材メニューが多くなりますが、「白モノ」と呼ばれる精製漂白した白米、小麦粉、またでんぷん質の食材は急激な血糖の上下を招くためにインスリンの働きだけでなく副腎の働きにも負担をかけ、自己治癒力を低下させることにもなります。エアコンの効きすぎによって体温のコントロールをする甲状腺の働きにも負担をかけ、結果として副腎の働きに負担が及ぶことにもなります。
アルコールの過剰な飲酒、冷たいものの飲食、炭水化物の食べすぎは注意してください。
2、銅と亜鉛をバランスよく摂取
銅は体内で様々な働きを担っていますが、疲労回復や消化機能と食欲を刺激する働きのほかに、ウィルスやバクテリアの殺菌にも働くミネラルです。また副腎の働きにもかかわっているのが銅です。銅は単独で摂取するのではなく亜鉛と一緒に摂取することによってミネラルバランスを崩すことがありません。
サプリメントで摂取することもいいですが、お勧めは以前に紹介している「ヒマワリの種」(1日30-50g)とアボカド(1日1/2個)です。
3、ビタミンDの摂取
以前のブログでもビタミンDのことは紹介していますのでそちらを参考にしてください。


感染が拡大してからパニックになることがないように、この夏から家族全員で新型インフルエンザの感染予防を考えてみましょう。
by nutmed | 2009-07-13 13:18

昨日の夜は寝苦しい夜でしたね。TVのニュースやネットでも話題になっているので皆さんもご存じだとは思いますが、この7月22日に46年ぶりの皆既日食がありますね。残念ながら日本では硫黄島などの南の島でしか100%の皆既日食は拝めないそうですが、そのほかの地域でも70%くらいの部分日食を見ることができるようです。私も小学校の時に見た記憶がありますが、おそらく日本で見ることができる皆既日食は生きている間には望めそうもないので、早速「日食グラス」を購入して準備万端です。

さて、今日は歯の健康管理の最終回です。最終回は多くの方が気になる口臭についてです。
口臭の原因にはいくつかあります。最近報告例が多いのは「膿栓(のうせん)」と言って、口からのウィルスやバクテリアの侵入を阻止する働きをもった扁桃腺の表面にある小さな穴に、バクテリアの死骸やウィルス細胞の断片、食べたものの一部が詰まって炎症を起こして膿をともなう症状で、この膿が口臭の原因になります。
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膿栓は特別な症状ではなく、過剰なストレス、食事内容、体力が低下して慢性的に疲労感を感じるような場合、寝不足などによっても起きることが少なくありません。大抵は知らない間に膿栓がはがれ落ちて食べたものと一緒に胃に落ちていったり、咳をしたときにお米の粒のようなものが口から出ていくこともあります。
つばを飲み込むときに痛みや違和感を感じたり、食物がのどの手前あたりにつかえるような感じがあることが多いので、そんな状態が出たら鏡で喉のほうをのぞいてみて白い塊のようなものが付いているかを確認してみるといいでしょう。治療には抗生物質のうがい薬などが処方されますが、予防のためには先日紹介している植物性乳酸菌飲料やヨーグルトでこまめにうがいうをすること、またティツリーオイル(tea tree oil)を薄めたものでうがいをするのもお勧めです。

口臭の原因は歯に詰まった食物の食べカス、特に炭水化物の腐敗であることも少なくないでしょう。食べカス自体が腐敗することによる腐敗臭をともなうことはもちろんですが、そこが歯周病の原因となるバクテリアの温床になり、歯肉炎を伴い歯茎からの膿が口臭の原因になることがあります。
また、先日も紹介したように舌の上に苔のように繁殖するバクテリアによって口臭が発生します。
2003年にこの口臭の原因となるバクテリアの除菌をするバクテリオシンに似た物質が発見されたことが報告されています。このバクテリアはStreptococcus Salivariusと言うバクテリア(連鎖球菌)で、生後間もない新生児のときから乳幼児にかけての口の中に常在しているバクテリアでもあります。このバクテリアが作り出すバクテリオシンに似たたんぱく質(S.Salivarius K12)が口臭の原因となるバクテリアの除菌をするというものです。まさにバクテリア補充療法の典型でしょうね。
この物質はすでにニュージーランドやアメリカでは食品として承認されていて、歯科だけでなく一般にも口臭予防のサプリメントとして販売されています。日本の歯科医の中にもこの物質の紹介をしている先生が増えているようです。

さて、今週1週間は歯の健康管理というテーマで綴ってきましたが、一般的な歯の健康管理という観点からは少し視点がづれていたかもしれませんね。初回にお話したように、歯は人間の体をつくるために必要不可欠な栄養素を取り入れる最初の入り口で重要な役割を担っています。その歯の健康管理を従来からのブラッシングやマウスウォッシュということだけでなく、日常の食生活の中で歯の健康管理を考えた食事行動を行うことが、最適な健康を手に入れるための1つであることを理解していただければと思います。
by nutmed | 2009-07-10 14:26

今年の夏はいつまでエアコンを入れずに耐えられるかと思っていましたが、今日の午後には我慢できずにONしてしまいました・・この夏も暑そうです。

さて、今日は口の中に生息するカンジダ菌の予防、除菌のための方法についてです。
前回のブログでは、歯の健康管理におけるバクテリア補充療法の考え方を紹介しました。
最近のTVのコマーシャルでも歯の健康管理とカンジダ菌繁殖の予防のことが紹介されるようになり、「口腔カンジダ菌症」という言葉もよく耳にするようになりました。カンジダ菌についてはこのブログでもたくさん扱ってきましたのでそちらを参照していただければと思います。
口の中にできるカンジダ菌による口腔カンジダ菌症は腸や女性の膣内に繁殖するカンジダ菌(Candida albicans)と同じ真菌です。カンジダ菌は2人に1人くらいの確率で口の中にも繁殖はしていますが、抗生物質の長期多用によって腸内細菌の環境がアンバランスになりカンジダ菌の増殖が起きたとき、体の免疫抵抗力が低下したとき、ストレスが増えだ液中のコルチゾールが増加したときなどに発症することが多いと言われています。また、糖尿病や放射線治療を行っている場合、義歯を使っている方にも発症しやすい症状です。症状は唇やほほの内側の粘膜、舌に白い斑点状の苔(こけ)のようなものができる場合と、粘膜が赤くなる場合の2つがあり、そのままにしておくと痛みをともなう口内炎になることもあります。
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口腔カンジダ菌症は乳幼児や高齢者に多いと言われていますが、高齢者の場合には義歯を入れることによる場合がおおいですが、乳幼児の場合には両親や祖父母が口に入れた箸やスプーンで食物を食べさせることで感染することが少なくありませんから注意してください。
さて、前回は虫歯や歯肉炎、歯周病の原因菌の増殖を予防するために、同じバクテリアを使ったバクテリア補充療法を紹介しましたが、バクテリア補充療法は抗生物質の効果がないカンジダ菌にも有効なのでしょうか?
口腔カンジダ菌症が見つかった場合には抗真菌薬のうがい薬や内服剤を処方されますが、予防の目的でこれらの薬を使うことは現実的ではありませんね。バクテリオシンの中には口腔カンジダ菌症の原因となるカンジダ菌(Candida albicans)にも有効なものがあります。
ペントシン(pentocin)と呼ばれるバクテリオシンの仲間の1つで、乳酸菌ペントサス菌「Lactobacillus pentosus」が作る物質になります。1999年に南アフリカの細菌学研究グループが乳酸菌ペントサス菌が作り出すバクテリオシンに似た物質のペントシンがカンジダ菌の増殖を阻害することを報告しています。この乳酸菌には50種類ほどの仲間がいて、京都のしば漬けや中国料理に使われる金華ハム(発酵ハム)から見つけられているほか、人の腸内、出産直前の妊婦の膣からも見つかっています。ヨーグルトを作る時にも使われる乳酸菌の1つです。ここでまた日本の伝統的なつけものという食材の「しば漬け」が登場しましたね。

元来、この乳酸菌ペントサス菌は腸内の乳酸菌として常在していて便の中からも見つかる菌でもあり、人間の便を培養して乳酸菌ペントサス菌を得た日本人による研究では、非常に興味深いことが報告されています。テトラサイクリンという非常に広範囲なバクテリアの殺菌能力を持った抗生物質を添加し培養した結果、大腸菌やほかの乳酸菌群を含むほとんどのバクテリアの繁殖が著しく低下しているにも関わらず、乳酸菌ペントサス菌はこの厳しい条件下でも増殖を続けていたこと。また、培養後にしばらくの間繁殖を続けていたカンジダ菌の繁殖が完全に止まったことです。
by nutmed | 2009-07-09 15:49

昨日の七夕の夜、東京タワーのライトダウンがあって夜空の星が見えやすくなるのかと思っていたら、昨晩はきれいな満月で東京タワーのライト以上に明るい、そして寝苦しい夜でしたね。

さて、今日は歯の健康管理の4回目です。
私は以前から講演会、書籍、そしてブログで「バクテリアとの共存共栄」を強く訴えてきました。どうも日本人は先般の食の安全性の問題も含め「細菌」「バクテリア」というものにはアレルギーがあり、これらのものが全て体にとって良くない「バイ菌」ととらえてしまう傾向があるようですね。バクテリアは悪で除菌、殺菌しなければ安心できないようです。一方で世界的に見ても日本の乳酸菌の研究力はずば抜けていて、欧米で乳酸菌の研究論文を見ると必ず日本人の研究者の実績が引用されるほどです。
前回紹介したニュージーランドの細菌学者(Dr.Tagg)が2003年に非常に興味深い言葉を残しています。「BRT:Bacteria Replacement Therapies」日本語に訳すと「バクテリア補充療法」になります。彼はこのBRTの説明の中で「Germ Warfare」という言葉を幾度も使っていますが、これは「細菌と戦うための細菌」つまりある意味での「細菌兵器」とも言えます。決して人間を殺すための細菌兵器ではありませんので安心してください。
「○○補充療法」と言えば中高齢者、特に女性に対する「ホルモン補充療法:HRT(Hormone Replacement Therapies)」があります。このHRTはホルモンの不足とバランスを調整するために行われる療法です。(HRTに使われる素材については別なテーマとしていつか特集したいと思います)つまり歯の健康管理におけるバクテリア補充療法(BRT)もHRTと同じ考え方で、今ある症状や状態の背景にある原因をバクテリアの力を借りて克服しようとする考え方です。バクテリア補充療法(BRT)という言葉にすると何か新しいもののように思えますが、私たちの生活の中に良くも悪くも根付いている「抗生物質」は人類初のバクテリア補充療法と言ってもいいでしょう。1929年にアレクサンダー・フレミングによって世界初の抗生物質ペニシリン(Penicillin)が発見されて以降、人間はバクテリア補充療法の道をスタートしたわけです。ただ、抗生物質によるバクテリア補充療法は科学的な根拠のあるものとしてスタートしていますが、日本人、お隣の韓国、アジア諸国、そして世界中の乳酸発酵食品の食文化を持つ民族では、ペニシリンが発見されるはるか昔からバクテリア補充療法を食生活の中で行ってきたといってもいいでしょう。
前回のブログで紹介したラブレ菌のほかにも、京都伝統の漬物「しば漬け」「千枚漬け」の中からたくさんの乳酸菌が見つかっていて、その中から有効なバクテリオシンを作る乳酸菌も数多く見つかっています。
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以前雑誌で、韓国のある地方では口内炎や虫歯ができたときに伝統的なキムチの漬け汁でうがいをするという記事を読んだことがありますが、今にして思えば、これも生活に根付き伝承されてきた独自のバクテリア補充療法であることがうなずけます。京都に住んでいる方の虫歯や歯周病、歯肉炎の発症率が他の地域よりも少ないかどうかについてのデータは見たことがありませんが、詳細な統計調査をしたら、ひょっとすると面白い結果がでるかもしれませんね。それは別としても、私たち日本人が昔から伝承してきた食文化の中には、現代科学では証明されていないにしてもこのような乳酸菌を豊富に摂取する、それも欧米のように動物性のものではなく、食生活に根づいた植物性食材から摂取する習慣があるわけです。
日本を代表する健康食材は「SUSHI」だけではなく、植物乳酸菌発酵食材の「漬物」もあることを我々自身も再認識するべきでしょうね。

次回は、カンジダ菌に対するバクテリア補充療法についてです。
by nutmed | 2009-07-08 08:17

今日は七夕です。最近ではニュースで七夕飾りも見ることはあっても、生で見ることは少なくなりました。今朝はスクーターで通勤のときにいつも通る幼稚園の庭に大きな七夕飾りを見つけました。しばし止まって眺めて、心の中で短冊に願い事を書いたつもりでその場を走り去りました。

さて、今日は歯の健康管理の3回目。今日は少し難しい内容になるかもしれませんが、ついてきてくださいね。
今日のテーマは「バクテリオシン」という物質についてです。このバクテリオシンは皆さんの身近にもあるもので、これを上手に使うことで歯肉炎、歯周病の原因となるバクテリアの繁殖を抑えることが可能になるはずです。

人間でも「私はあの人が苦手だな・・」と言うことがあるのと同様に、バクテリアの中でも、ある種のバクテリアが作るたんぱく質が別のバクテリアに対する強力な抗菌作用をもつことが1925年に発見され「バクテリオシン:Bacteriocins」と名付けられました。
このバクテリオシンは対象となるバクテリアの細胞膜に穴をあけて活性を失わせ死滅させてしまう働きがあり、大腸菌や緑膿菌(床ずれの原因菌)から抽出されていました。このほか乳酸菌の中にもバクテリオシンを作る菌が多数発見されています。日本では九州大学の生物資源環境科学研究室での研究成果が有名です。
バクテリオシンが発見されてから56年後の1981年、ニュージーランドの細菌学者Dr.Taggの研究グループは歯垢の原因となるバクテリア(ミュータンス菌)が、だ液の中に繁殖しているバクテリア(Streptococcus salivarius)が作るバクテリオシンによって活性を失い繁殖が抑えられることを発見しました。
少し見ずらいかもしれませんが、下の写真はシャーレの中で培養したバクテリア(ミュータンス菌)が乳酸菌(Bacillus coagulans)が作り出すバクテリオシンによって増殖を阻止されている様子です。右側がミュータンス菌で左側がバクテリオシンで、中央に盛り上がったように見える線がこれ以上ミュータンス菌の繁殖ができない境界線になります。
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日本では昔から発酵食品の歴史があり、発酵で使われる乳酸菌が作るバクテリオシンの中には、だ液に含まれるバクテリア(Storeptococcus salivarius)と同じように歯垢を作る原因となるバクテリアに対する強い除菌作用をもったものがあります。九州大学の研究室が一般的な家庭の台所にも存在する乳酸菌(Lactococcus lactis)がバクテリオシンの「ナイシン(Z)」と言う物質を作ることを報告しています。このナイシンというバクテリオシンは、天然の防腐剤として食品に使われるほど抗菌作用が強く、日本以外の先進国では安全な天然の防腐剤として認可されていたもので、日本でもようやく2009年3月2日に厚生労働省がナイシンを食品防腐剤としての認可をしました。

さて、ここまで少し難しくなったようですが、ついてきてくださいね。
このナイシンにも歯垢を作る原因となるバクテリアに対する抗菌作用があることが1988年にマレーシアのマラヤ大学の研究者が報告をしています。もっとも一般の消費者がこのナイシンを入手することは少し難しいかもしれませんね。
ここからが皆さんの関心事になると思いますが、九州大学の研究室が日本独特の「糠づけ」を作る時の「糠床」に繁殖している乳酸菌からナイシンと同等の性能を持ったバクテリオシンを発見しこれを「ヌカシン」と名づけました。私が知る限り現在までにこのヌカシンが歯垢を作る原因となるバクテリアに対する抗菌作用の検討をした報告はないようですが、ナイシンと同等の性能をもつこのヌカシンですから、オーラルケアの素材としての期待は非常に高いと思っています。糠床に生息する乳酸菌の種類はたくさんあり、どの乳酸菌がどのようなバクテリオシンを生産するのかを調査するにはかなりの時間が必要だとは思いますが、この糠床の上澄み液を使わない手はないと思い、実は1か月ほど前から近所の家の古い糠床の上澄みをいただいて、それを50倍くらいに薄めた液で就寝前にマウスリンスをしていますが、翌朝の口の中のネバつきもないし、歯肉の腫れも少なくなりました。この方法は糠の臭いや味、それ以上に糠床を持っているご家庭が少ないので、誰でもできるものではないと思いますが、もう1つの方法として、最近日本でもポピュラーになってきた「植物性乳酸菌飲料」のラブレは、糠床上澄み液と同じようにマウスリンスとして使えると考えています。
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ラブレに含まれるラブレ菌は京都の伝統食品「すぐき漬」という漬物から発見された乳酸菌で、上のシャーレの実験で使われている(Bacillus coagulans)と同じ種族の乳酸菌(Lacto-bacillus brevis subspecies coagulans)でもあります。

以前、歯科医のグループで講演会をしたときにあるドクターから「50年前に比べて虫歯の発生率は格段に減少している」という話を聞いたことがあります。この背景には8020運動など、歯科医、歯科衛生士、行政による歯と歯茎のブラッシングの習慣、特に食後のブラッシングの習慣を作ってきた功績であることは間違いないことです。ただ、食生活が決定的に欧米化してきたこの50年間で、明らかに消えつつ、そして継承されなくなった日本古来の食材、食事の仕方があることも事実で、バクテリオシンを作る植物性乳酸菌の宝庫でもある糠漬けという食材を、歯の健康管理という観点から見直してみることも必要なのかもしれませんね。
by nutmed | 2009-07-07 10:23