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先週末の土曜日は中学校のときの同窓会が横浜であったので久しぶりに同窓の友たちと旧交をあたためてきました。まあ、当り前のはなしではあるんですが、自分は毎日鏡をみているだけなのでなかなか気づくことがないものの、同じ年の同窓生に会うと「お前も老けたな!」という言葉があちこちで飛び交うのもいい年齢になった自分を再確認するいいチャンスだと思いました。

さて、今日は歯の健康についてです。
歯のオーラルケア商品のCMは、日本だけでなく世界中のTVコマーシャルで常に上位5位に入ってくるほど、市民の日常生活に密着しているものですね。人間の口の中には300種類以上のバクテリアが生存していて、その数は100億個を超えるとも言われています。腸内細菌の種類が100-200種類と言われているので、口の中に住んでいるバクテリアの種類がいかに多いかがわかりますね。
この15年ほどの間に世界中で口の中のバクテリアと病気の関係についての研究が盛んに行われていますが、従来のように口の中に住む全てのバクテリアが人間にとって悪いことばかりではないことが分かり始めています。それでもバクテリアの異常な繁殖が直接的にも間接的にも体内環境全体に影響を及ぼし、心臓の働き、胃腸などの消化器の働き、肝臓の働き、脳神経の働きなどに少なからず影響を与えることも分かり始めています。
私が最近のTVのコマーシャルで気になっていたのは「カンジダ菌」のCMです。或るオーラルケア商品のメーカーのCMで鶴見大学の先生が登場してカンジダ菌が口腔内の環境に及ぼす影響を説明して除菌を勧めているものですが、今までのオーラルケア商品と言えば「歯周病菌・・」「歯を白く・・」「歯茎を強く・・」「知覚過敏・・」はよく耳目にしても今回のCMのように具体的な「カンジダ菌」が出てくることはまずなかったように思います。
私は以前からカンジダ菌と栄養素の吸収や神経機能、ストレスなどの関係に強い興味を持ってカウンセリングや除菌も行ってきたこともあり、今回のこのCMを通じて女性だけでなく世の中の人たちにカンジダ菌というキーワードが刷り込まれることは大歓迎なんです。
多くの方が、口の中(歯)のバクテリアのことは知っていても、歯周病や虫歯、口臭というキーワードで覚えていることと思います。たとえば皆さんが気にする口臭の多くは皆さんが寝ている間に口の中(歯の隙間など)に残った食物をバクテリアが餌として分解し終えて生産するブタンなどのような硫黄化合物が原因であることが少なくありません。このために最近では歯科クリニックでも就寝前のマウスリンスを勧めるようですが、多くのバクテリアにとってジメジメした環境よりも、適度な温度と比較的乾いた環境のほうが増殖しやすいこともあって、アルコールが含まれたマウスウォッシュやリンスを使うとかえって口の中が乾いてバクテリアが繁殖しやすい環境をつくることもあるようですね。お酒を飲んで歯もろくに磨かずに寝てしまった翌朝に口の中がいつもよりネバついていると感じるのもアルコールによって口の中が乾燥するためと、鼻腔が詰まって口で呼吸をすることでなおさら乾燥が進みバクテリアが繁殖している状態になっていると考えられます。

しかし、口の中のバクテリアの繁殖は口臭の問題だけでなく、様々な体の症状の原因を作る可能性が非常に高いことがわかりはじめていますが、その背景には口の中のバクテリアの増殖が人間の免疫システムに影響をあたえることによって起きるものと考えられています。
人間の体はウィルスやバクテリアの侵入(感染)、増殖がはじまるとそれらを無力化するために免疫システムが動き出し、特殊なタンパク質(サイトカイン)を作り血液の中に放出され、ウィルスやバクテリアの情報(どんな種類、以前に感染したことの有無など)を集めますが、このサイトカインの中にはそれを無力化するために働くものもあれば細胞を破壊するものもあります。鏡で自分の口の中をのぞいてみるとわかりますが、口の中は血管がたくさん集中しているだけでなく、薄い粘膜で保護されているにすぎませんので、日常的に口の中にバクテリアが増殖していることによって、このサイトカインが活発に働く引き金をひいいてしまうことがあります。これらのサイトカインが日常的に体内の血液中を巡ることによって、口から遠く離れた細胞組織、たとえば血管、心臓に直接的に影響を及ぼすことがあります。また、すい臓に影響を及ぼす(膵臓の細胞を破壊している可能性)ことも確認されていて、糖尿病の原因となるインスリンの働きに影響している可能性もあり、これらのバクテリアの除菌管理をすることによって血糖コントロールが良好になることも報告されています。そのほか2005年にアメリカで発表された研究によれば、口の中のバクテリアの増殖と早産、低体重児には強い関係があることが報告されています。

このように口の中のバクテリアの繁殖は、想像以上に体内環境に悪影響を与えることが多く、日常的に口腔内のケアをすることが未病、予防のためには不可欠であるといえます。
マウスリンスや薬で除菌管理をすることはもちろん悪いことではありませんが、副作用がなくナチュラルな方法で皆さんの身近にあるものを使って除菌管理ケアができればより長続きするのではないでしょうか。
その方法については次回に・・
by nutmed | 2009-07-06 13:52

昨日の朝からオフィスで使っているパソコンがクラッシュをしてしまい、昨日と今日の昼まで復旧作業でてんてこ舞いでした。幸い大きなトラブルではなかったので、ファイルの破損やソフトへの影響はなくて済みました。パソコンがないと仕事にならない環境にあると、「パソコンに依存すること」の怖さが身にしみます。

さて、来週から少し歯の健康管理についてテーマにしてみたいと思います。
実は2年前から横浜の鶴見大学の非常勤講師を務めている関係もあって、また以前からアマルガム水銀と体内環境のことを生涯テーマとしていることもあって、歯科のドクターとの交流も少なくありません。
以前からずっと私が訴えつづけている活動の中に「歯科医は街のヘルスゲートキーパー」という考え方があります。地域住民の健康管理や食生活指導を最前線で行う最適なポジションが歯科医だと思っています。
臨床栄養学、栄養療法に携わる私にとって栄養摂取のスタートは歯科医が携わる「口」からはじまります。人間の体を構成している60兆個もの細胞が正しく機能するために必要な、そして過不足することによっていろいろな症状の原因となるものが栄養素ですが、私たちはそのほとんどを口から摂取するわけです。その栄養素を摂取する最初の入り口である「口」の中でも歯の働きと重要性は計り知れないものがあります。その口と歯を健康な状態に保つためのプロフェッショナルが歯科医であることを考えれば、まさに健康管理の水際にいるのが歯科医であるべきだと思っています。
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歯科クリニックにはじめて訪れると大概のクリニックでは問診票を渡されますが、その中には必ず「血圧」や「現在持っている症状」「糖尿病の有無」などがヒアリングされています。いつも疑問に思うことは、その後の治療の中で自分が問診票で答えた症状や持病、服用している薬剤やサプリメントの関係、たとえば糖尿病を持っているのであれば出血や化膿についての注意点、ビタミンKと歯茎の出血のことなどについての指導や食生活の注意を受けた記憶は残念ながら日本の歯科で受けたことはありません。
折角そこまでケアしてくれる準備をするのであれば、それらの情報をもとにした健康管理をしないのはもったいないというか残念ですね。
アメリカやカナダでは歯科医はクライアントの口腔を通した健康管理、それも口から先にある臓器や組織にかかわるような健康管理をするドクターは非常に多いです。そもそも欧米では子供のころから歯と健康にかかわる教育が進んでいることと、歯科クリニックに対する考え方も「健康を害するような何かが起こらないようにするため」に定期的に歯科クリニックを訪問することが多く、「痛みや腫れが起きてから」駆け込むことは少ないように感じます。もちろん日本の医療にかかわる法律や保険のしくみが欧米とは異なるからだということも事実ですが、「未病」ということを真剣に国民が考えはじめた高齢化社会に移行しつつある日本にとって、全国的にアクセスが容易なポジションにあり、ヘルスゲートキーパーとして機能できるポジションにあるのが歯科クリニックではないかと考えます。
私が歯科クリニックが健康管理の最適なポジションであると考える理由の1つに、難しい横文字や専門用語で自分の症状や治療方法の説明を受けて難解することなく、また多くの歯科クリニックが予約制を採用しているために「待ち医者」になることなく「街医者」として効率的に受診ができること、そして何よりも子供から高齢者まで「健康に生きていくために必要なものは栄養素でありその栄養素を摂取するためには歯を健康な状態に保つ」ことを理解しているということです。
患者として歯科クリニックを受診する我々にとっても、歯科クリニックで健康管理をされることは一見すると馴染みのない経験かもしれませんが、「健康に生きていくために必要なものは栄養素でありその栄養素を摂取するためには歯を健康な状態に保つ」という当たり前のことが理解できれば、理にかなったオーラルヘルスケアとして安心して健康管理を委ねることができると思います。

今日はプロローグとしては少し長くなりましたが、次回から皆さんが身近で実感していただけるようなオーラルヘルスケアの方法を紹介したいと思います。
by nutmed | 2009-07-03 18:27

今日も東京は梅雨空の雨です。 雨が続くと気がめいるという人がたくさんいますが、雨は悪いことばかりではなく、湿度が高いことでドライスキンにはならないために、晴れた日よりも女性が若々しく見えると言う人もいますね。

さて、今日は食材、特に野菜に含まれているミネラルについてです。
食品栄養素リストや、雑誌で紹介されている野菜に含まれているミネラル量を見て疑問に思っている方はいませんか? 私は大いに疑問を感じています。リストに掲載されていたり、雑誌で紹介されている野菜に含まれていると言われるミネラルの量そのものはある程度正確な数値なのだと思います。
例えば、「ブロッコリ100gにはマグネシウムが500mgがふくまれています」とういうくだりは皆さんにとってもごく日常目にする内容だと思います。どの野菜にそんなミネラルがどれだけ含まれているのか?という皆さんの関心が持ち上がったときには、ほとんどすべての方が「それだけたくさんのミネラルが含まれているなら健康にはいいだろう・・」ということを考えるのではないでしょうか? ここまでは私も納得はできます。
問題は、多くの方が「ブロッコリ100gにはマグネシウムが500mgがふくまれています」という表記を見た場合、100gのブロッコリを食べればマグネシウムが確実に500mg摂取できると考えてしまうことです。
以前からブログでは栄養素、特にミネラルについてはその性格と調理の仕方、また一緒に摂る食べ合わせ飲み合わせによって、吸収できるミネラル量は大きく変わることをお話してきました。

今日はこのブログでも頻繁に取り上げてきた比較的ポピュラーなマグネシウムを例にとってみましょう。
日本の栄養学食材リストに掲載されている一般的なマグネシウム量を計算すると、日本人の1日あたりマグネシウム(元素として)平均摂取量は600mgとなるそうですが、この数値は日本人が日常食べている食材を調べ、その食材に含まれているマグネシウムの量を計算して割り出したものです。血液や爪、毛髪などに含まれる体内のマグネシウム量を分析したものではないということです。
この600mgという数字を見ると日本人はマグネシウムを十分に摂取している思われるかもしれませんが、ここで考えなくてはならないことは、食材の加工精製過程および調理過程におけるマグネシウムのロス分です。緑の濃い野菜(この色はマグネシウムをリッチに含むクロロフィルで、植物が光合成をするときに必要な物質)、小麦、大豆などにはマグネシウムが豊富に含まれているとされていますが、漂白精製、脱脂行程、油や水による調理によって平均85%のマグネシウムが失われます。例えば、小麦100gには575mgのマグネシウムが含まれているとされていますが、胚芽を脱穀し漂白精製することで約400mgのマグネシウムが失われる可能性は非常に高いということです。また、マグネシウムは魚(脂ののった)や動物性のタンパク質が豊富な食材と一緒に食べることで吸収が低下することがあります。阻害する可能性があります。

栄養医学研究所で8年前から行っている爪による体内のミネラル分析は3000例を超えようとしていますが、明らかに1日あたり600mgのマグネシウムを吸収しているとは思えない方が非常に多いという実態もあります。
ここで私の疑問ですが、アメリカやEUでは、雑誌で紹介されている食材に含まれるミネラル量を掲載する場合、単にその食材に含まれているミネラル量を紹介するだけでなく、それをどのような調理方法、どのような食べ方をしたら最も効果的に吸収できるかをあわせて紹介していることが少なくありません。それは消費者が一番知りたい情報であるはずなんですが、日本ではそのような紹介のされ方をしている雑誌記事やサイトを見たことがありません。
多くの方がこれだけ健康を意識して毎日の食材選びをするようになった日本ですが、ブロッコリにはマグネシウムが豊富に含まれているという知識はあっても、ミネラルの性質や調理方法によって、また食べ合わせによって、実はそのマグネシウムのほとんどが摂取できていない可能性は否定できません。

目くじらをたてて食の安全を問題にすることは大いに結構なことですが、健康被害を考えるのであれば、もう少し消費者を正しい方向に導くために食材の安全な選択方法だけでなく、効果的にその食材に含まれるミネラルの恩恵を受けるための調理方法や食べ合わせの教えとしての「食育」をするべきだと思います。
その上で、危険性のあるような物質が体内に入ってきても人間が本来持っている自浄能力、排泄能力、治癒力を高めるための栄養素をしっかり吸収するべきではないかと・・・
by nutmed | 2009-07-02 13:54

第606回 銅について

私は日中以外に毎朝6時と就寝前の午後11時ころには必ずメインのメールアドレスに来ているメールをチェックしますが、今朝6時にメールをチェックしてビックリしました。いつもこの時間帯に入ってくるメールのほとんどは時差の関係からアメリカやドイツからのものが90%なんですが、今朝のメールボックスには日本国内からのメールがいつもの3倍の120通、それもすべて件名が「メタボリックタイプ判定申込」メールでした。今、午後3時を過ぎようとしていますが、なんとか97人の方には分析結果レポートを返信しました。
返信された方はどうぞレポートの分析結果をよく読んで、現在の状況と今後の食生活の改善の参考にしてください。

さて、今日はミネラルの銅について少し・・
銅は人間の体には不可欠な必須の元素で、70kgの成人では体内に約80mgの銅が蓄積されていて、その3分の1が筋肉に、残りが他の組織および体液に存在しています。銅は鉄が働くために必要であるため、血液(赤血球)を構成するヘモグロビン合成には不可欠です。体内の銅は多くのタンパク質と結合した形で存在していて、セルロプラスミン、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)のほか、水銀や鉛などの重金属と結合して体外に排泄をしてくれる金属タンパク質(メタロチオネイン)も銅が構成するものです。

銅の主な働き
•鉄の吸収促進
•タンパク合成に関与
•ビタミンCの吸収を助ける
•RNA産生における重要な因子
•ミエリン産生に重要
•甲状腺刺激ホルモン(TSH)の合成に不可欠

銅はアミノ酸と結合し胃・十二指腸からの吸収が促進されます。成人では食品に含まれている銅の約56%が吸収され、主に胆汁を介して排泄されます。

さて、ここから本題に入りますが、銅と片頭痛は深くかかわっています。
片頭痛と言えばチラミンという物質の名前がよく登場しますね。チラミンはアミノ酸が作る代謝産物で、チーズ、ワイン、ビール、酵母、鶏の肝臓、ワイン、酢漬けニシン、チョコレート(カカオ)などの食材に多く含まれていて、チラミンが血管の拡張(収縮と拡張)を誘導することで片頭痛が起こるといわれています。
このチラミンは銅が結合してつくらている酵素のモノアミンオキシダーゼ(mine Oxidase,MAO)によって分解され活性を失います。言い換えればMAOが不足しているとチラミンが体内(血液中)に増加し、血管の拡張を引き起こし片頭痛が起きやすくなります。つまり銅が不足することによって片頭痛の原因と考えられているチアミンの蓄積を増長させてしまうことになるわけです。
片頭痛の改善を考える場合には、チラミンの含まれる食材のことだけでなく、銅についても考えてみると改善の効果はあがるでしょう。
by nutmed | 2009-07-01 15:27